(広島県のへそ=中心にあるダム湖)
若いNHK女性記者が過労死し、労災認定を受けたという。記者という仕事は過酷なものであることは予想できるが、その過労死の原因が、選挙後の当落の報道に追われていたことでもあると聞いて、少々言いたいことがある。
先日の衆院議員選挙の報道であるが、午後8時、投票の終了時間にすぐに「当確」の報道があった。開票もしないのに、なぜ「当確」が出るのかというと、出口調査の結果のようなのである。開票によらずに出口での調査の結果によるのであれば、投票・開票をあまりに軽く見てはいないか。投票した者に対して失礼ではないか。こんな無意味なことの取材と報道に追われて過労死を招いたとするなら、NHKに限らず、報道機関の姿勢そのものに問題があると言えよう。
選挙の結果が、半日、一日遅れたからと言って、どんな問題があるのだろうか。急いで報道した結果、謝った「当確」を出してしまった放送局があったという。票差がわずかな場合には、当然ありうることである。この報道のために忙しい思いをし、たぶん疲労困憊したであろう記者の仕事はどんな意味があったというのであろうか。無意味というよりも問題ありである。
視聴者も迅速すぎる情報提供を求めるのはやめよう。半日、一日早く分かったからといって、私たちに対して意味のあることではない。ゆっくり、誤りのない開票作業をしてもらおう。報道陣は、当落以外の意味ある情報の収集と分析に、すこしばかりゆとりを持って取り組んでもらいたいものだ。