またしても記事が滞っておりますが、古森病院@福岡市博多区 です。
本日はヘリコバクター・ピロリ感染症についてのお話です。
日本ヘリコバクター学会という消化器内科関連の学会があります。
http://www.jshr.jp/
私の知る限り、単一の細菌名で学会が成立しているのは 日本ヘリコバクター学会と日本結核病学会、
日本放線菌学会くらいではないでしょうか。
ヘリコバクター学会が一般の方向けに作られたパンフレットです。
http://www.jshr.jp/pdf/info/topics/jshr_pylori01.pdf
ピロリ菌は胃や十二指腸潰瘍、胃癌の原因の一つと言われています。
また幼少のころに経口感染し、自然に排除されるケースが少ないと推定されており
年齢が上がるほどピロリ菌が消化管にいる期間が長くなることから、
発癌の可能性があがることが予想され、若年者は特にピロリ菌を早めに除菌することが
勧められています。
除菌は一次除菌メニューからスタートし、除菌判定後 除菌失敗した方は
二次除菌メニューまでは(患者さんの全身状態や年齢にもよりますが)お勧めしています。
除菌成功後の再感染について質問されることがありますが、
2013年 JAMAという雑誌で(Morgan DR et al.Risk of Recurrent Helicobacter pylori Infection 1 Year After Initial Eradication Therapy in 7 Latin American Communities.JAMA. 2013;309(6):578-586.)ラテンアメリカの7つの国のデータでは再感染率は11.5%であったという
論文が出ています。
ヘリコバクター学会には医師向けパンフレットで 再感染率は0.1-2%(年)と書いています。
ソースは不明です(未記載)。
http://www.jshr.jp/pdf/info/topics/jshr_pylori02.pdf
また消化管に限った話ですが、
無症状の高齢の方に何歳までピロリ菌除菌をお勧めするかということは消化器内科の医師の間でも
統一見解は出ていません。ある程度以上の年齢になると胃炎が進行してしまっていて、除菌してもしなくても
発癌率がそう変わらないであろうことが予想されるからです。
潰瘍や癌が発生し、病気が治療可能であれば何歳になっても除菌を試みるだろうということが 共通した意見です。
特発性血小板減少症や蕁麻疹との関連も示唆されるピロリ菌、
感染経路を含め、その実態はまだ謎です。
ピロリ菌は単なる感染(保菌者)だけでは保険が通らず、治療は長らく自費診療で行っておりましたが
平成23年にようやく保険が通り、内視鏡を必ず一回はしないといけないなど制約はあるものの保険診療が行えるようになったため
消化器内科医の負担が減りました。内視鏡がどうしても嫌という方は従来のように自費でなら(1万円ほど)除菌を行うことは
可能です。
当院も来年度に内視鏡ができる体制になれば、保険診療にて除菌診療を承ります。
以上、古森病院でした。
本日はヘリコバクター・ピロリ感染症についてのお話です。
日本ヘリコバクター学会という消化器内科関連の学会があります。
http://www.jshr.jp/
私の知る限り、単一の細菌名で学会が成立しているのは 日本ヘリコバクター学会と日本結核病学会、
日本放線菌学会くらいではないでしょうか。
ヘリコバクター学会が一般の方向けに作られたパンフレットです。
http://www.jshr.jp/pdf/info/topics/jshr_pylori01.pdf
ピロリ菌は胃や十二指腸潰瘍、胃癌の原因の一つと言われています。
また幼少のころに経口感染し、自然に排除されるケースが少ないと推定されており
年齢が上がるほどピロリ菌が消化管にいる期間が長くなることから、
発癌の可能性があがることが予想され、若年者は特にピロリ菌を早めに除菌することが
勧められています。
除菌は一次除菌メニューからスタートし、除菌判定後 除菌失敗した方は
二次除菌メニューまでは(患者さんの全身状態や年齢にもよりますが)お勧めしています。
除菌成功後の再感染について質問されることがありますが、
2013年 JAMAという雑誌で(Morgan DR et al.Risk of Recurrent Helicobacter pylori Infection 1 Year After Initial Eradication Therapy in 7 Latin American Communities.JAMA. 2013;309(6):578-586.)ラテンアメリカの7つの国のデータでは再感染率は11.5%であったという
論文が出ています。
ヘリコバクター学会には医師向けパンフレットで 再感染率は0.1-2%(年)と書いています。
ソースは不明です(未記載)。
http://www.jshr.jp/pdf/info/topics/jshr_pylori02.pdf
また消化管に限った話ですが、
無症状の高齢の方に何歳までピロリ菌除菌をお勧めするかということは消化器内科の医師の間でも
統一見解は出ていません。ある程度以上の年齢になると胃炎が進行してしまっていて、除菌してもしなくても
発癌率がそう変わらないであろうことが予想されるからです。
潰瘍や癌が発生し、病気が治療可能であれば何歳になっても除菌を試みるだろうということが 共通した意見です。
特発性血小板減少症や蕁麻疹との関連も示唆されるピロリ菌、
感染経路を含め、その実態はまだ謎です。
ピロリ菌は単なる感染(保菌者)だけでは保険が通らず、治療は長らく自費診療で行っておりましたが
平成23年にようやく保険が通り、内視鏡を必ず一回はしないといけないなど制約はあるものの保険診療が行えるようになったため
消化器内科医の負担が減りました。内視鏡がどうしても嫌という方は従来のように自費でなら(1万円ほど)除菌を行うことは
可能です。
当院も来年度に内視鏡ができる体制になれば、保険診療にて除菌診療を承ります。
以上、古森病院でした。