古森病院@福岡市博多区です。
最近ポリファーマシーという、いわゆる高齢者の方々への多剤処方(多数の薬剤の処方)と多剤処方したことにより
薬が相互に干渉し、予期せぬ副作用が発生したり、飲みきれなくて残薬となり 社会保険財政を圧迫していることが
問題になっています。
厚労省の資料から
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000194792.pdf
管理人も外来で「お薬余っていませんか?」と定期的に聞くようにして
「余っていたら持ってきてくださいね。」と申し上げ かなりの方が
申告して下さっていますが、中にはどうしても「薬を飲んでない」ということを
申告できないでいる方もおられます。
管理人の経験では、処方している中の
一部の薬だけほしくて、値の悪い生活習慣病の薬はいらないが、値が悪いだけに
言い出せなくて 黙って捨てている患者さんがおられました。
処方しているのに値が悪すぎるので、管理人が問い詰めるとようやく
白状され・・・・。(管理人の問診は 別名「取り調べ」とも言われています。(笑))
他にもインシュリンを他院で処方されていたものの、まったく打たずに
大量にインシュリンが余った状態で当院に入院してこられた方もおられました。
主治医は血糖コントロールが上手く行っていないことについて、何も感じなかったのかなあ・・・
と大量の期限切れのインシュリンと残された針を見ながら思ったものでした。
当院は予約外来でないので、生活習慣病の方を中心に、薬が無くなる頃に
患者様が来院されますので、来院間隔で その方が真面目に薬を飲む人か
そうでないかということが大体わかります。
その方の状況によっては、きちきち薬を飲んだほうがいい方もおられますので
医療機関側もそういう方には 飲んでいただけるよう工夫をしなければなりません。
具体的には
①一包化といって、一つの袋に薬を詰め込んであげて日付を書き、飲んだか否かはっきりするようにする。
②有症状(痛いとか動悸がするとか不安だとか苦しいとか)でない限り、
一日3回の内服は忘れ去られやすいので(外出外泊仕事時に持っていき損ねる、朝遅く起きたので朝食後が飛ぶなど)長期に及ぶ
3回処方は出来るだけ行わないか、定期的に残薬チェックする。一日1回でまとめられたらベスト。
一日2回の処方も結構飲み飛ばされています。
③内服処方は出来るだけ簡素化する。
④高齢者の方へのインシュリン処方は出来るだけ避ける。ご家族が協力してくれる場合は別ですが・・。
⑤食後と書くと、食事を抜いたときに飲まない方がおられるので、糖尿病の薬でなく、どうしても食後でないと
いけない薬でなければ その旨を説明する。特に朝食をいつも食べない人は結構居られるので、朝食後の薬は要注意です。
処方というのは 患者さんの病状だけでなく、
患者さんを取り巻く心理的社会的要因を考慮に入れて薬をださないと上手く行かないものだと
最近つくづく思います。
医者のパターナリズムというか 「俺の酒が飲めないのか」ならぬ「俺の薬が飲めないのか」
という今の主流の考えでは 到底ポリファーマシーの問題は解決できません。
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パターナリズムとは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。親が子供のためによかれと思ってすることから来ている[要出典]。日本語では家族主義、温情主義、父権主義、家父長制、中国語では家長式領導、溫情主義などと訳される。語源はパトロンの語源となったラテン語の pater(パテル、父)である。同じ語源をもつ英語の「ペイトロナイズ(patronize )」では「子供扱いをする・子供だまし(転じて「見下す・馬鹿にする」とも)」という意味になる。
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ガイドライン上有用といくらわかっていても、患者さんが飲まなかったら(飲めなかったら)まったく意味のない処方です。
その辺の教育をそろそろ医師側に行って、どうやったら患者さんに飲みやすい処方になるのかならないのか
思い切って処方しないという選択肢もあるわけですから(もともと飲んでないし)、
薬剤師さんや看護師さんの負担を減らしてあげたほうがいいんじゃないのかなあ・・・・
と思う今日この頃・・
https://komori-hp.cloud-line.com/
最近ポリファーマシーという、いわゆる高齢者の方々への多剤処方(多数の薬剤の処方)と多剤処方したことにより
薬が相互に干渉し、予期せぬ副作用が発生したり、飲みきれなくて残薬となり 社会保険財政を圧迫していることが
問題になっています。
厚労省の資料から
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000194792.pdf
管理人も外来で「お薬余っていませんか?」と定期的に聞くようにして
「余っていたら持ってきてくださいね。」と申し上げ かなりの方が
申告して下さっていますが、中にはどうしても「薬を飲んでない」ということを
申告できないでいる方もおられます。
管理人の経験では、処方している中の
一部の薬だけほしくて、値の悪い生活習慣病の薬はいらないが、値が悪いだけに
言い出せなくて 黙って捨てている患者さんがおられました。
処方しているのに値が悪すぎるので、管理人が問い詰めるとようやく
白状され・・・・。(管理人の問診は 別名「取り調べ」とも言われています。(笑))
他にもインシュリンを他院で処方されていたものの、まったく打たずに
大量にインシュリンが余った状態で当院に入院してこられた方もおられました。
主治医は血糖コントロールが上手く行っていないことについて、何も感じなかったのかなあ・・・
と大量の期限切れのインシュリンと残された針を見ながら思ったものでした。
当院は予約外来でないので、生活習慣病の方を中心に、薬が無くなる頃に
患者様が来院されますので、来院間隔で その方が真面目に薬を飲む人か
そうでないかということが大体わかります。
その方の状況によっては、きちきち薬を飲んだほうがいい方もおられますので
医療機関側もそういう方には 飲んでいただけるよう工夫をしなければなりません。
具体的には
①一包化といって、一つの袋に薬を詰め込んであげて日付を書き、飲んだか否かはっきりするようにする。
②有症状(痛いとか動悸がするとか不安だとか苦しいとか)でない限り、
一日3回の内服は忘れ去られやすいので(外出外泊仕事時に持っていき損ねる、朝遅く起きたので朝食後が飛ぶなど)長期に及ぶ
3回処方は出来るだけ行わないか、定期的に残薬チェックする。一日1回でまとめられたらベスト。
一日2回の処方も結構飲み飛ばされています。
③内服処方は出来るだけ簡素化する。
④高齢者の方へのインシュリン処方は出来るだけ避ける。ご家族が協力してくれる場合は別ですが・・。
⑤食後と書くと、食事を抜いたときに飲まない方がおられるので、糖尿病の薬でなく、どうしても食後でないと
いけない薬でなければ その旨を説明する。特に朝食をいつも食べない人は結構居られるので、朝食後の薬は要注意です。
処方というのは 患者さんの病状だけでなく、
患者さんを取り巻く心理的社会的要因を考慮に入れて薬をださないと上手く行かないものだと
最近つくづく思います。
医者のパターナリズムというか 「俺の酒が飲めないのか」ならぬ「俺の薬が飲めないのか」
という今の主流の考えでは 到底ポリファーマシーの問題は解決できません。
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パターナリズムとは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。親が子供のためによかれと思ってすることから来ている[要出典]。日本語では家族主義、温情主義、父権主義、家父長制、中国語では家長式領導、溫情主義などと訳される。語源はパトロンの語源となったラテン語の pater(パテル、父)である。同じ語源をもつ英語の「ペイトロナイズ(patronize )」では「子供扱いをする・子供だまし(転じて「見下す・馬鹿にする」とも)」という意味になる。
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ガイドライン上有用といくらわかっていても、患者さんが飲まなかったら(飲めなかったら)まったく意味のない処方です。
その辺の教育をそろそろ医師側に行って、どうやったら患者さんに飲みやすい処方になるのかならないのか
思い切って処方しないという選択肢もあるわけですから(もともと飲んでないし)、
薬剤師さんや看護師さんの負担を減らしてあげたほうがいいんじゃないのかなあ・・・・
と思う今日この頃・・
https://komori-hp.cloud-line.com/