もうおねいさんがノリノリなのです。
リムスキー=コルサコフの《ロシアの復活祭》について調べていた時に見つけたこちらの動画。
これを視聴しているうちに私はティンパニ奏者の動きにすっかり虜になってしまい、以来この動画を見る時は最初から最後まで彼女に釘付けになってしまっているのでした。
Н. Римский-Корсаков. «Светлый праздник», соч. 36. Дирижер - В. Полянский.
このノリは「スネアのおっさん」ならぬ「ティンパのおねいさん」ですよ。
***
《ロシアの復活祭》は、言うまでもなくリムスキーコルサコフの代表作の一つである華やかな管弦楽曲です。
同じく代表作とされる作品番号が連続する三つの作品では、大作である《シェヘラザード》を別にすると、私は同じ程度の演奏時間である《スペイン奇想曲》よりも《ロシアの復活祭》の方が格段に好きで、かつてはロジェストヴェンスキー指揮パリ管弦楽団の演奏を愛聴していたものです。
さて、《ロシアの復活祭》は文字どおりロシアの復活祭の情景を描いた標題音楽なのですが、私は以前からこの標題と中間部の曲想(導入部の後のアレグロ・アジタートの部分)には違和感を感じていて、それは作曲者が描きたかったという、「ロシア正教の復活祭の朝の祝祭的雰囲気」なるものが、このような音楽なのか?ということだったのです。
そのあたりは後に改めて触れるとして、このモヤモヤ感が晴れるような手掛かりでも無いものかとあれこれ調べだしたのですが、その過程で見つけたのが先ほどの動画です。
この演奏、というかティンパニ奏者を見ていると、アレグロの部分も「楽しいんでしょ?だったらいいじゃない」とでも言われているようで、まあそんなに小難しく考えなくたっていいような気がだんだんとしてきたのですね。
彼女の演奏は跳ぶようにばちを叩いたりしてなかなかダイナミックですが、自分の出番がない合間にも身体を揺すっていたり(オーケストラというよりロックのノリ)、とにかくこの曲を演奏することが楽しくて仕方がないというような喜びようが伝わってくるのです。
曲の最後の一撃と続くロールもバッチリ決まっています。
ノリが良すぎたのか、曲の途中でティンパニの前で演奏している神経質そうなトランペット奏者がチラチラ彼女の方を気にしていて、さすがにたまりかねてか、演奏の途中にもかかわらず、何やら注意をしているようです(11:55あたりから)。
彼女は「ほーん、で?」とでも言っているのでしょうか、このあたりのやりとりも何だか可笑しく感じられます。
この動画でもう一つよいのは、彼女の演奏するティンパニの音がよく聴こえてくること。
一般的にオーケストラの作品では、ラッパや太鼓のやかましい音は編集時に抑えられる傾向があるようで、私はそれが少々不満だったりしていたのですが、この《ロシアの復活祭》を視聴して、この作品でこんなにティンパニが鳴っていることに初めて気が付きました。
今さらですが新鮮な驚きでしたね。
***
関連してですが、《ロシアの復活祭》のユニークなほかの動画を三つご紹介しておきましょう。
Russian Easter Festival, Op. 36 (Arranged for Solo Piano by Paul Gilson)
https://www.youtube.com/watch?v=-hR865vN5lM
《ロシアの復活祭》のピアノソロ版です。
《シェヘラザード》や《スペイン奇想曲》は作曲者自身によるピアノ四手連弾のアレンジがあり、録音もありますが、《ロシアの復活祭》は作曲者ではなく別人の手によるものであるせいか、演奏される機会があまりないようです。
こちらはポール・ジルソン(1865-1942)によるソロ・ピアノ版。ジルソンはリムスキー=コルサコフとほぼ同時代のベルギーの作曲家で、《ロシアの復活祭》以外にも《シェヘラザード》のピアノ・ソロ用の編曲を手掛けております。
演奏は所々「ん?」というような箇所がありますが、珍しいピアノ・ソロを弾いてくれただけでもありがたいと思うことにしましょう。
N. Rimsky-Korsakov - Russian Easter Festival Overture (Daria Burlak, organ - own transcription)
https://www.youtube.com/watch?v=1emJaOH5kSE
続いてはオルガンによる《ロシアの復活祭》。
演奏者自身によるアレンジとのことですが、この作品の曲想とオルガンの相性が良いようで面白く聴けます。
出だしの部分はオーケストラの演奏の雰囲気ととてもよく似ていますね。
Н.А. Римский Корсаков - Светлый праздник
https://www.youtube.com/watch?v=iGdebO0xyN8
最後はロシア民族楽器オーケストラによる演奏。
この種の楽団はアンドレーエフやオシポフのものが有名ですが、この動画のオーケストラはエフゲニー・トリシン記念となっていて詳細は不明。
リムスキー=コルサコフの《ロシアの復活祭》について調べていた時に見つけたこちらの動画。
これを視聴しているうちに私はティンパニ奏者の動きにすっかり虜になってしまい、以来この動画を見る時は最初から最後まで彼女に釘付けになってしまっているのでした。
Н. Римский-Корсаков. «Светлый праздник», соч. 36. Дирижер - В. Полянский.
このノリは「スネアのおっさん」ならぬ「ティンパのおねいさん」ですよ。
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《ロシアの復活祭》は、言うまでもなくリムスキーコルサコフの代表作の一つである華やかな管弦楽曲です。
同じく代表作とされる作品番号が連続する三つの作品では、大作である《シェヘラザード》を別にすると、私は同じ程度の演奏時間である《スペイン奇想曲》よりも《ロシアの復活祭》の方が格段に好きで、かつてはロジェストヴェンスキー指揮パリ管弦楽団の演奏を愛聴していたものです。
さて、《ロシアの復活祭》は文字どおりロシアの復活祭の情景を描いた標題音楽なのですが、私は以前からこの標題と中間部の曲想(導入部の後のアレグロ・アジタートの部分)には違和感を感じていて、それは作曲者が描きたかったという、「ロシア正教の復活祭の朝の祝祭的雰囲気」なるものが、このような音楽なのか?ということだったのです。
そのあたりは後に改めて触れるとして、このモヤモヤ感が晴れるような手掛かりでも無いものかとあれこれ調べだしたのですが、その過程で見つけたのが先ほどの動画です。
この演奏、というかティンパニ奏者を見ていると、アレグロの部分も「楽しいんでしょ?だったらいいじゃない」とでも言われているようで、まあそんなに小難しく考えなくたっていいような気がだんだんとしてきたのですね。
彼女の演奏は跳ぶようにばちを叩いたりしてなかなかダイナミックですが、自分の出番がない合間にも身体を揺すっていたり(オーケストラというよりロックのノリ)、とにかくこの曲を演奏することが楽しくて仕方がないというような喜びようが伝わってくるのです。
曲の最後の一撃と続くロールもバッチリ決まっています。
ノリが良すぎたのか、曲の途中でティンパニの前で演奏している神経質そうなトランペット奏者がチラチラ彼女の方を気にしていて、さすがにたまりかねてか、演奏の途中にもかかわらず、何やら注意をしているようです(11:55あたりから)。
彼女は「ほーん、で?」とでも言っているのでしょうか、このあたりのやりとりも何だか可笑しく感じられます。
この動画でもう一つよいのは、彼女の演奏するティンパニの音がよく聴こえてくること。
一般的にオーケストラの作品では、ラッパや太鼓のやかましい音は編集時に抑えられる傾向があるようで、私はそれが少々不満だったりしていたのですが、この《ロシアの復活祭》を視聴して、この作品でこんなにティンパニが鳴っていることに初めて気が付きました。
今さらですが新鮮な驚きでしたね。
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関連してですが、《ロシアの復活祭》のユニークなほかの動画を三つご紹介しておきましょう。
Russian Easter Festival, Op. 36 (Arranged for Solo Piano by Paul Gilson)
https://www.youtube.com/watch?v=-hR865vN5lM
《ロシアの復活祭》のピアノソロ版です。
《シェヘラザード》や《スペイン奇想曲》は作曲者自身によるピアノ四手連弾のアレンジがあり、録音もありますが、《ロシアの復活祭》は作曲者ではなく別人の手によるものであるせいか、演奏される機会があまりないようです。
こちらはポール・ジルソン(1865-1942)によるソロ・ピアノ版。ジルソンはリムスキー=コルサコフとほぼ同時代のベルギーの作曲家で、《ロシアの復活祭》以外にも《シェヘラザード》のピアノ・ソロ用の編曲を手掛けております。
演奏は所々「ん?」というような箇所がありますが、珍しいピアノ・ソロを弾いてくれただけでもありがたいと思うことにしましょう。
N. Rimsky-Korsakov - Russian Easter Festival Overture (Daria Burlak, organ - own transcription)
https://www.youtube.com/watch?v=1emJaOH5kSE
続いてはオルガンによる《ロシアの復活祭》。
演奏者自身によるアレンジとのことですが、この作品の曲想とオルガンの相性が良いようで面白く聴けます。
出だしの部分はオーケストラの演奏の雰囲気ととてもよく似ていますね。
Н.А. Римский Корсаков - Светлый праздник
https://www.youtube.com/watch?v=iGdebO0xyN8
最後はロシア民族楽器オーケストラによる演奏。
この種の楽団はアンドレーエフやオシポフのものが有名ですが、この動画のオーケストラはエフゲニー・トリシン記念となっていて詳細は不明。
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