窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

シマセンニュウの育雛 (Middendorff's grasshopper warbler)

2020-08-01 13:55:48 | 山野の鳥

私の調べたシマセンニュウの北海道での分布は、道東・襟裳岬から釧路、浜中、

根室、別海、知床半島、を経てオホーツク沿岸、稚内、サロベツ原野の海岸線

の草原地帯です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

  ★ シマセンニュウの育雛 (Middendorff's grasshopper warbler)★

 

ロシアの北東部の沿岸に多い鳥で、ロシアの論文にはよく出てきます。名づけた

ミッデンドルフさんはロシア人。グラスホッパーと名付けられるほど、繁殖

前半には草むらから急に飛び出してきて、富士山型の軌跡をたどり、草むらに

飛び降ります。

これがバッタみたいだったので名づけられました。

シマセンニュウは草原に棲み、草や灌木の上にできて囀るポストソングと草むら

から飛び出し、飛びながら囀るフライングソングの2種類の囀り方をします。

フライングソングは目立ちます。その状況を彼は名前に取り込んだのです。

渡ってくる時期は他の夏鳥に比べ遅く、6月の初めにやってきます。センニュウ

仲間はみな遅いです。着たら2週間足らずで営巣に入ります。

とにかく忙しい。草が芽を出し葉を広げる時季です。囀りも少なくなり、ヒナが

孵化するとオスもメスもたくさんの虫を嘴にはさみ、ヒナに運びます。

この時期は草むらの中で虫取りをし、草の表面にはほとんど姿を見せません。

地元の人が「くさむぐり」というだけはあります。山菜をとりに来た人が偶然に

出会うからでしょう。

餌はヒナが小さい時はアブラムシの幼虫が主流、次第に大きくなり、クモや芋虫

ガなどが多くなります。どれも草の中に棲む虫ばかり。草の中を歩き回り、探し

持ってきます。虫たちにしてみれば堪りません。潜んでも見つかってしまう

ので困った奴です。

食べ物を草の中から十分に捕れるので、彼らの縄張りは広くありません。意外と

密度が濃いい鳥です。

8月に入り、そろそろ巣立ちが目立つ季節になりました。