ヒシクイがカムチャッカ半島の方から渡ってくるのをここ1週間、野付半島と風蓮湖で
待っています。狙いは、夜明け前から8時ころまで。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 渡ってくるヒシクイの編隊 ★
亜種ヒシクイが野付半島に9月からやってくることに気づいたのは6年前。それから
オホーツク海から現れる群れの編隊を実際に確かめようと心がけてきました。
観察実績がないので、朝なのか、昼なのか、夕方なのかちんぷんかんぷんでした。
風蓮湖で早朝の飛び立ちを調べていると、時々20、30羽の群れが飛び立つ群れと
すれ違うように河口に飛んでくることがありました。
飛び出して行った群れがユーターンして帰ってくるのかと初めの頃は考えていました。
積み重ねるうちに、渡ってきた群れが到着したシーンではと思うようになりました。
そこで野付湾に渡ってくる群れを探そうとと思ってきたのです。
そしてとうとう、その瞬間に出会えたのです。
2019年9月22日、9時23分。ギャハハン、ギャハハンという乾いた金属的な声が
国後島の方から聴こえてきました。最近よく聞いている声なのですぐに亜種ヒシクの
声だと気づきました。見上げると横1列の編隊が小さく見えてきます。丁度同行していた
3人の仲間に声をかけ、観察しました。そしてカメラを向けました。正確な個体数を
記録しておくためです。
59羽の亜種ヒシクイの編隊です。遠くだと横一列に見えましたが、次第に近づいて
くるとV字の編隊を組んで飛んできていることが分かります。
長い飛行をできるだけ空気抵抗を少なくして飛ぶ省エネ飛行です。ガンの仲間では
有名ですが、ハクチョウやカモ、シギ・チドリもV字編隊を組みます。
真上上空を飛んで行く時は見事なV字が見ることができました。
野付湾に入り、遠のくにつれ1列に見えるのが面白く感じます。遠近感が目で捕らえ
られなくなってしまうのです。
わずか1分足らずですが、群れを見送りながら私はすごく感激していました。
秋の渡り。群れがオホーツクの海からやってきた、ただそれだけのことですが。
瞬間をとらえることが自分で確かめられた、という嬉しさでいっぱいでした。
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