野付半島には海抜ゼロメートルの森があります。ミズナラがたくさん生えて
いる原生林。倒木がごろごろして、開いた空間には新しい若い木が生え、おお
きくなりつつあります。
おばんです。
★ 干潟と森 ★
この森は1960年、チリ沖で発生した大津波が日本にやってきたとき、津波の被
害を受けました。トドワラと言われたトドマツが生えていた森は海水をたっぷり
かぶり、大半の木が倒れ、枯れていきました。
そのさまが海獣のトドがごろごろしているように見え、1970年代はトドワラと
して旅仲間から呼ばれるようになりました。多くの人が奇景を求め来るように
なりました。トドワラを根室海峡から入ってきた津波が野付半島を乗り越え、
直撃したのではないかと思います。
ナラワラは奥の方にあったせいで、野付半島の先の方の森とトドワラのおかげで
津波が弱められ、森全体が海水を被らなくて済んだのではないでしょうか。
海面に面した木々だけが波を被ったぐらいで、治まったのです。
いま、森を二分する干潟にタンチョウやカモが集まり、ゆったり過ごしています。
50年を経て一昨年再び見たトドワラは、すっかり姿を変えていました
景色、環境は、時間とともに変わっていくものですね