私の調べたシマセンニュウの北海道での分布は、道東・襟裳岬から釧路、浜中、
根室、別海、知床半島、を経てオホーツク沿岸、稚内、サロベツ原野の海岸線
の草原地帯です。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ シマセンニュウの育雛 (Middendorff's grasshopper warbler)★
ロシアの北東部の沿岸に多い鳥で、ロシアの論文にはよく出てきます。名づけた
ミッデンドルフさんはロシア人。グラスホッパーと名付けられるほど、繁殖期
前半には草むらから急に飛び出してきて、富士山型の軌跡をたどり、草むらに
飛び降ります。
これがバッタみたいだったので名づけられました。
シマセンニュウは草原に棲み、草や灌木の上にできて囀るポストソングと草むら
から飛び出し、飛びながら囀るフライングソングの2種類の囀り方をします。
フライングソングは目立ちます。その状況を彼は名前に取り込んだのです。
渡ってくる時期は他の夏鳥に比べ遅く、6月の初めにやってきます。センニュウ
の仲間はみな遅いです。着たら2週間足らずで営巣に入ります。
とにかく忙しい。草が芽を出し葉を広げる時季です。囀りも少なくなり、ヒナが
孵化するとオスもメスもたくさんの虫を嘴にはさみ、ヒナに運びます。
この時期は草むらの中で虫取りをし、草の表面にはほとんど姿を見せません。
地元の人が「くさむぐり」というだけはあります。山菜をとりに来た人が偶然に
出会うからでしょう。
餌はヒナが小さい時はアブラムシの幼虫が主流、次第に大きくなり、クモや芋虫
ガなどが多くなります。どれも草の中に棲む虫ばかり。草の中を歩き回り、探し
て持ってきます。虫たちにしてみれば堪りません。潜んでも見つかってしまう
ので困った奴です。
食べ物を草の中から十分に捕れるので、彼らの縄張りは広くありません。意外と
密度が濃いい鳥です。
8月に入り、そろそろ巣立ちが目立つ季節になりました。