エゾジカのオスたちが夕方になると干潟の草地に出てきます。50頭以上の大きな
群れです。1歳を超えた子供のオスから四尖三又の角を持つ成人オスまで、幅広い
年齢層からなる集団です。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ エゾジカのオスの群れが干潟に出てきます ★
オスジカはメスジカと違い、1年中群れで生活します。ボスジカを中心に様々な
年代のオスが共同生活をしています。親離れが早い1歳過ぎの新米は年代の近い
オスに寄り添い、おどおどした素振りで行動を伴にしています。
その周りにはしっかりとした体形になってきた3、4歳の若きシカがいます。
さらに体格がガッチリとし、四尖三又の角が外側に広がり、畏怖堂々の風格を
したオスが数頭います。
これだけのオス群れの行動を年間を通し、調査をした論文はまだ出ていないよう
です。
若いシカが先になり、ぬかるんだ泥干潟に出ていきます。以前は潮が上がって
こず、硬く締まっていた干潟草原はここ10年、潮位が上がり水分をしっかり貯
め、泥の干潟になってきました。群れはその中を通り、草が生えるところまで
進んでいきます。
砂地の上にできた泥炭なので脚が膝あたりまでしか沈みません。ゆっくり一列
縦隊になり進んでいくさまは深い雪の中を進むのに似ています。
慌てると脚が泥にとられ、骨折する可能性があるのでよけい慎重です。
干潟の植物は塩分を含み、植物だけで生きるシカには自然に摂れるので役立ち
ます。
暗くなってきた干潟に同化して、つい見逃してしまいます。天敵がいなくなっ
てもオオカミがいた時代の警戒心がしっかり残っているようです。
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