7月17日午後、私達は玉原湿原(群馬県沼田市)に再び向かった。湿原の花は、季節の変化にともなって、めまぐるしく変わる。前回(7月上旬)、私達をアサヒランやトキソウの花の美しさに目をうばわれた。今回は、これらの花が湿原から消え去り、ミズチドリやキンコウカが目立つようになっていた。
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木道を歩き始めるや否や、私達は歓迎のパンチを浴びた。高い茎のミズチドリが花を開いていたのであった。
この湿原での面白さで、午後の暑さも気にならなくなった。画像において、大きな実をつけているものはヒオウギアヤメである。
ミズチドリ(水千鳥、ラン科ツレサギソウ属)
日当たりのよく水が多い湿地に生える多年草。この画像の花の長さ(穂状の花序)は約20 cm、茎の高さは約90 cmであった。
花に芳香があるので、このものにはジャコウチドリ(麝香千鳥)との別名がある。
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湿原には、ミズチドリの群生地があった。しかし、惜しいことに、その場所は木道から離れてる。
観察には望遠レンズあるいは双眼鏡が必要であった。画像において、ミズチドリの前はオズゼヌマタイゲキ。
背後(右)はコバイケイソウである。
湿原では、キンコウカの群生が一斉に花を開いていた。午後の強い日差しを受けて、黄金色の集団は眩しいほどに輝いていた。
キンコウカ(金黄花、ユリ科キンコウカ属)
湿原に群生する高さ20 - 30 cmの多年草。花は、終わっても散らないで緑色の面白い形状のものに変化する。
日本固有種。花名は花の色による。
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湿原の標高は約1,300 m。木道で、私達は午後の強い紫外線に曝された。それなりの紫外線に対する対策を準備したが。玉原湿原の総面積は約 4 haである。多種類の植物が分布し、その群落も少なくない。この湿原は尾瀬に例えられて「小尾瀬(こおぜ)」と呼ばれるとのこと(沼田市HP)。しかし、この例えに対して、私は違和感を持っている。この湿原のユニークな植物相には、「山椒は小粒でもびりりと辛い。」の諺が当を得ていると思っているからだ。
ところで、湿原の近くにあるブナ林での湧き水。この清らかで冷たい湧水によって、私達はリフレッシュすることができた。