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http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-663.htmlより転載
「放射能の危険を生徒に話せない」福島の高校教諭退職・東京新聞8/6(書き出しました。)
生の声今日、東京新聞の取材を受けた。多分ブルームバーグの記事よりも実物の私に近い描写になると思う。
取材を終えて福島駅前の温度表示を見ると35.8度。
8/05 17:28:23
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その東京新聞の高校教師宍戸氏の記事です
危険を知らせたくても言えない教師
危険だと分かっていても直視できない生徒と保護者
どちらも悲劇です
危険だと思いながらその子どもを目の前にし
何も注意が出来ない苦しさ
そうして黙認している事が将来起きるかもしれない事へ繋がるかもしれない恐怖
宍戸先生のお気持ちがとてもよく理解できます
このような現実は何か不思議な不可思議な
今まで何でも自由に自分の思いを口にして話してきた日本が
確実に変わっている
だけど、こうなってしまうのは何故なんだろう
文部科学省が、本当に子ども達が安全な基準に設定していないせいではないでしょうか
国の対応が人命第一ではないから
このように歪んでしまうんだと思う
危ないものは危ないと言い
注意すると事はきちんと注意して
できる限り自分の身を守ること
周りの人と助け合いながら生活していく方向に進めるように
国家の権力で市民が苦しまないように
どうしたらいいのか・・・
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被ばく語れぬ空気「生徒に申し訳ない」
福島の高校教諭退職
東京新聞「こちら特報部」8月6日
福島県で一人のベテラン高校教諭が先月、退職した。
原発事故後、被ばくを避けるように生徒らに再三指導していたが、管理職から「動揺を与えるな」と注意された。
被ばくの不安を抱えつつも、仕事の事情などで避難できない県民が大半という現実。
そこでは「被ばく」という話題そのものへのいら立ちが募っている。
高校教諭が直面したのも、そうした無言の壁だったのだろうか。 (篠ケ瀬祐司、中山洋子)
「危険を知りながら、子どもたちへ伝えられない自分に耐えられない。彼らが被ばくするのを見ているのもつらい」
福島第一原発から約60キロ離れた県立福島西高校(福島市、生徒数871人)を退職してから一週間足らず。
宍戸俊則さん(48)は苦しげな表情を浮かべ、同校を辞めた経緯を語り始めた。
宍戸さんは原発事故発生直後はできる限り、表に出ずに過ごした。
新学期が始まると、生徒らに
「健康を害する恐れがあるから教室の窓を閉め、マスクをした方がいい」と呼びかけた。
顧問を務めたソフトテニス部の屋外練習も最大二時間に限るようにした。
だが、初夏になり気温が上がると、生徒たちは窓を開け始めた。
「嫌がる生徒もいたので、閉めるよう大きな声を出したこともあった」と宍戸さんは振り返る。
5月20日、宍戸さんは同校の教頭から
「不安をあおるようなことを言ってはいけない」との指導を受けた。
宍戸さんが「マスクをするように言ってはいけないのか」と尋ねると、
教頭は不安をあおらないようにと、繰り返したという。
「生徒にマスクをする理由を聞かれれば、危険があるからと説明せざるを得ない。
『不安をあおるな』とは『危険だと言ってはいけない』という意味と理解した」。
宍戸さんは悩んだ末、六月上旬に退職を決意した。
「管理職は県側から言われて私に指導をしたのだろう。学校から圧力を受けたのではなく、県からだと思っている」
県の対応については、原発事故直後から疑問を感じていた。
3月15日の高校の合格発表は屋外であった。
「県が決めた以上、校長は従うしかない。体育館は避難所になっていたので、発表は外ですることになった。
放射線量は高かった。しかし、警告はなかった。傘も差さずにやってくる子どもたちを見て、本当に申し訳なくなった」
たしかに県は危険の広報に消極的だった。
「県は放射線量が高い時に『安心』を強調する学者を呼び、
その話はマスコミを通じて繰り返された。結果的に多くの県民が被ばくした。
住民も被ばく後の不安を認めると、いたたまれなくなってしまう。
だから『不安がっていては暮らしていけない』と言うしかない」
宍戸さんは来週、北海道に居を移す。
県が発表した5日午前10時の福島市内の放射線量は毎時1,1μシーベルトとまだ高い。
「生徒をおいて、自分だけ安全な所に逃げていいのか、という引っかかりはいまもある。
生徒たちには不安があったら手伝うよ、不安は表現してもいいんだと伝えた」
宍戸さんの目に光るものが浮かんだ。
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「生徒をおいて、逃げていいのか」
宍戸さんはいまもそう自問しているという=福島市で
宍戸さんが勤めていた福島西高校は先月下旬からグラウンドの表土を削り、新たな土を入れる工事が進められている。
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宍戸さんが勤めていた福島西高校では、グランドの表土をはがす工事が続いていた=5日、福島市で
同校の井戸川方志教頭は
「(宍戸さんに)長袖を着てマスクをつけるように言ってはいけない、と指導したことはない。
授業内容が手薄になっているという苦情が生徒や保護者から入っていると伝え、
話の仕方や授業時間の使い方に気を付けてほしい、生徒に動揺を与えないように、という話をした」と説明する。
「宍戸さんは教員会議で放射線量が高いと指摘していた。
それぞれの物差し(判断基準)で高い低いはあると思う。
しかし、学校としては文部科学省の基準で判断するしかない」(同教頭)
文科省は4月19日、子どもの年間被ばく線量限度を20ミリシーベルト(毎時3,8μ)と規定。
同校は限度を下回っていることを確認し、屋外での体育を再開した。
文科省は5月に「年間1ミリシーベルト以下を目指す」としたが「努力目標」にすぎない。
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今年5月、文部省を訪れ、放射線量基準値の見直しを要請する福島県の保護者ら=東京千代田区で
一方、県は六月、教育委員長名で各市町村や県立校あてに熱中症予防に関する通知を出した。
通知には
「放射線の影響から夏服の着用を控える傾向が見られるが、
そのことによって引き起こされる熱中症や心身のストレスによる体調不良を予防するように」
「窓を開けて活動しても差し支えない」などとある。
県教育庁では
「長袖を着たりマスクをしたりしてはいけないとの指導はしたことはない」
(学校生活健康課)と、強制でないと説明するが、県からの通知と違うことをするのは容易ではない。
文科省では福島では校庭の表土除去も始まり、学校での被ばく線量が低減されていると強調。
今月初めには、福島県内で年間被ばく線量が1ミリシーベルトを超える学校は「ゼロ」と発表した。
ただ、この線量は学校で過ごす八時間のみの推計だ。
子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの佐藤幸子さん(53)は
「結局、文科省の20ミリシーベルト基準に従う学校が多い。これが現場の被ばく予防の取り組みをはばんでいる。
本心では、安全と思えない場所で教育活動をさせられている先生はほかにもいる」と語る。
学校現場では放射能汚染を話題にすることがはばかられる“空気”が広がっているという。
ネットワークに参加し、被ばくを学んでも「学校では口にできない」という教師も少なくないという。
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正午過ぎ。JR福島駅前の温度計は35℃。暑さもあってか、マスクを付けた人はほとんど見かけない
=5日福島市で
7月下旬から、二人の子どもを連れて札幌市のサマーキャンプに参加している福島市の父親(37)も
「福島では放射能が怖いと言えない空気がある」と漏らす。
三月に県外へ一時避難した知人から
「戻ってきて、周りから白い目で見られている」と打ち明けられた。
「逃げたくても逃げられない人たちが、危険を直視できないでいる」
実際、被ばく予防の話をしていて、親戚に「うんざりだ」と言われたこともある。
「その親戚もマンションを買ったばかりで、どこにも行けなかった。
福島で働き続けるしかなく、震災直前に生まれた赤ん坊に『おれんどご生まれて悪かったな』と謝っていた」
その気持ちも痛いほど分かるだけに、周囲にはそれ以来、もう何も言えなくなっているという。
それと同じ構図はいま福島の教室にもある。
宍戸さんはこう話した。
「学校には、みんなと同じでなければいけないという“同調圧力”がある。
男子は弱さを見せたくない。女子はファッションの面からも、自分だけマスクをしたり、窓を閉めたりはしにくい」
<デスクメモ>
「半年もたてば、世論も変わる」。毎日新聞に載った電力総連出身の藤原正司参院議員(民主)の言葉だ。
福島では事故を苦に数人が自ら命を絶ち、「原発離婚」という現象も生まれた。
将来への不安は語り尽くせないだろう。孤立させてはならない。
この議員がうろたえる世論の変化を生み出したい。 (牧)
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続きを読むに
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福島の子供を「見えないヘビ」から守る教師の苦悩-学校の圧力で退職
7月29日(ブルームバーグ):気温38度に近づいた7月のある朝、
福島県の学校では生徒たちはマスクも付けずTシャツ姿で校庭を駆け回っていた。
生徒たちが肌をさらす戸外の放射線量は、原子力発電所の作業員が浴びる量に相当する。
日本国民を未曾有の危機に陥れた東日本大震災から4カ月、見えない放射能と戦う福島の今を取材した。
福島第一原発から約60キロ離れた福島市の県立福島西高校。
国語教師として25年務めた宍戸俊則教諭は、
生徒たちにマスクをつけ長袖を着て肌を守るよう5月下旬まで注意してきた。
そのアドバイスが顧みられることなく終わったのは暑さのせいではない。
学校側が生徒への注意喚起を控えるよう指示したためだ。宍戸教諭(48)は今週、福島西高校を退職した。
「生徒の被ばくを止めることもできず、呼びかけることもできない状態から逃げ出したかったのかもしれません。
今、退職する身になって、ようやく生徒たちに福島にいることのリスクについて話すことが可能になりました」と語った。
地震と津波で東北地方が壊滅状態となった3月11日以降、政府は住民47万人を避難させた。
そのうち16万人は福島第一原子力発電所の放射線漏れによる危険を逃れるために避難した人々だ。
都道府県としては日本で3番目に広い福島県。
オーストラリアにも似たその土地には、27万1000人の子供を含む200万人以上の住民がとどまっている。
文部科学省学校健康教育課の石田善顕課長補佐によれば、
政府は放射線レベルを常に注意深く監視しているという。
石田課長補佐はブルームバーグ・ニュースの取材に、
「現段階で全ての福島の人々が避難する状況になっているとは思っていません」と述べた。
福島西高校の石川清春教頭は、
一部の生徒や親から苦情が出たため授業で放射線の話に多くの時間を割かないよう
学校が宍戸教諭に伝えたと説明。
宍戸教諭が退職したことを認めた。
「見えないヘビ」
世界原子力協会(WNA)は、
放射線は人間の細胞やDNAを破壊し、長期にわたって被ばくすれば白血病や種々の癌を引き起こすと説明する。
子どもは細胞の成長が早く、放射線の影響も受けやすい。
アルスター大学(英国)客員教授のクリス・バズビー氏は先週、福島県を訪問し
健康へのリスクついて情報を提供した。
「目に見えるものは何もない。木は木のまま、人は相変わらず買い物に出歩き、鳥は鳴き、犬が通りを歩いている」と話し、
そのような場所でも
「ガイガーカウンター(放射線測定器)を持ち出せば、あらゆるものが光を発し、
死の使者のような見えないヘビに皆が噛まれているのがわかる」と続けた。
宍戸教諭は8月8日に福島を去り、妻と13歳と10歳の二人の子供がいる札幌に移る予定だ。
北海道には現在3000人の避難者が疎開しているが、宍戸教諭は第2の福島を創るべく、
避難した人たちのネットワーク作りを行い、仕事や住居探しの支援に携わりたいという。
野球をする子どもたち
北海道庁住宅管理グループの今井敏文主管によれば、
北海道は公営住宅2140戸を福島や宮城、岩手県などからの被災者受け入れ住宅として無料で提供している。
また、被災者はさらに最大で50万円のローンを無利子で受けられるという。
今井主管は、
「本来は北海道民に家賃を払っていただく公営住宅を福島や被災者の皆さんに提供しています。
まだ、空きがたくさんあるのでいらしてください」と呼びかけている。
宍戸教諭は今年5月、
生徒にマスク着用を奨励したり、放射線の健康への影響を説明しないように学校側から指導を受けたという。
それ以降、自身のブログから複数コメントを削除した。
福島市の主婦、西方嘉奈子さん(33)には11歳の息子と8歳の娘がいる。
「ある日、小さな男の子たちが砂けむりを上げて楽しそうに野球をしているのを見ました。
その時、一体だれがこの子たちの将来を守るのだろうと思いました」と振り返る。
福島西高校の宍戸教諭について、
「子どもたちを守れないからという理由で教師をやめるというのはとてもショックです」と語った。
「怖いというより暑い」
「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などに所属する保護者や子供達は、
8月17日に高木義明文部科学大臣を訪問し、子どもたちを県外に避難させるよう要請する予定だと話した。
福島西高校(生徒数873人)では7月14日、
校舎内で0.07マイクロシーベルト(毎時)、校庭では1.5マイクロシーベルト(同)の放射線量が観測された。
古川教頭(57)によれば数値は政府と県が定める安全基準内だ。
体育の授業や運動部の活動も続けられているという。
古川教頭は、「これで安全だとは私も思っていません。
依然として(放射線レベルが)高いことは分かっています」と打ち明ける。
「最近は半袖で、マスクをしない生徒がほとんどですね」と語った。
福島県教育委員会の担当者はブルームバーグ・ニュースの取材に匿名で応じ、
福島西高校が宍戸教諭を制止したのは驚きだと述べた。
同教育委では子どもたちが福島県外に避難する必要性は認識しておらず、
学校では窓は開けていても大丈夫だとしている。
同委員会では、外で遊んだらうがい・手洗いをするよう、また傷口に砂がついたら洗うように指導しているという。
同担当者自身もマスクや長袖シャツを着ることなく毎朝登庁しているという。
ブルームバーグの「健康上の不安はないのか」との質問に対し、
「怖いというより暑いんです」と述べた。
子供たちの不安については、また県内301校にカウンセラーを派遣し、
生徒たちが精神的問題を抱えこまないように配慮していると説明した。
花を摘み、虫を捕る
子どもたちを放射能から守る福島ネットワークは、
4月の測定値を基にした最近の政府発表によれば、
福島県では約1600の教育機関(小・中学校、幼稚園、保育所)の5分の1で、
放射線量(年率換算)が少なくとも年間20ミリシーベルトに達すると指摘。
国際放射線防護委員会(ICRP)が定めた原子力発電所作業員の線量限度と同等の数値だ。
これら教育機関の4分の3以上で0.6マイクロシーベルト(毎時)の放射線量が検出されており、
東京都心の新宿で検出される平均値の10倍にあたる。
福島から今週二人の子供を連れて京都へ避難した佐藤美由起さん(36)は、
「放射能が怖ければ、家にいて外に出なければいいと言われるかもしれません。
でも子どもの成長にとって、太陽の光を浴びたり、花を摘んだり、虫を捕まえたりというのは大切なのです」と訴える。
佐藤さんは、福島から避難したが、月々12万円の住宅ローンは残っている。
「どうか、全ての子供たちをこの福島から一時的に避難させ、資金補助をしてほしい。
リスクは可能性の問題だからという人に言わせてください。
あなたはロシアンルーレットに自分の子供を参加させることができますか?」
更新日時: 2011/07/29 13:21 JST