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財務省は安倍昭恵氏付職員からの財務省への働きかけ(森友問題の核心)の記録文書を隠している
経済産業省の仲間でつくる全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんと話していて、この期に及んでまだ「安倍晋三首相と昭恵氏の関与がなかった」などと主張する人がいることが信じられませんね、などと言い合っていたら、飯塚さんが「やはり森友問題の核心は『昭恵氏付職員の谷査恵子さんによる財務省への働きかけ』だと思う」ということであらためてその点を飯塚さんが簡単に書いてくれたので以下紹介します。
いま問題になっている森友問題をめぐって、財務省が公表した決裁文書からは、森友学園前理事長の籠池泰典氏と、安倍昭恵氏との関係や一緒に写った写真の存在が削除されていたことがわかっています。
しかし、きょうの国会でも安倍晋三首相は、みずからや夫人の昭恵氏が関与していないことは明らかだと強調しています。本当でしょうか?
朝日新聞の籠池氏のインタビュー記事(「昭恵氏は『神風の発生装置』 籠池容疑者、逮捕前に語る」朝日新聞2017年7月31日)によると、ターニングポイントに挙げるのが、籠池氏の求めに応じて昭恵氏付の政府職員が2015年秋、国有地の取引について財務省に問い合わせたことだとして、「(当初の借地料が)すごく高い金額だったから何を考えているんだと。(政府職員による問い合わせの頃から風が)怒濤のごとく吹き始めた。昭恵夫人とも電話はよくしていたし。ぐっぐっと動いているという感覚があった」と籠池氏は語っています。
役所には国会議員や大臣の秘書から様々な問い合わせがあるのは特別なことではありません。役所は秘書からの問い合わせがあると「政治家案件」(「まる政」案件といいます)として、上司に報告し、回答内容を相談して、最終的にかなり上の人のクリアをとってから回答します。
安倍首相夫人付職員(秘書)の谷査恵子さん(当時、経済産業省からの出向で昭恵氏付の常勤職員)からの問い合わせについて、財務省はどういう対応をしたか考えてみます。
谷さんは15年以上に渡って経済産業省で働いてきたので、ノンキャリ補佐の自分の判断だけで他省庁の室長にいきなり問い合わせることはできないし、問い合わせても対応してもらえないという役所のルールは知っています。
ですので、昭恵氏から指示を受けた谷さんは国有財産管理室の担当係長に問い合わせたと思います。普通、経済産業省の補佐が問い合わせても、担当係長は電話かメールで回答して終わりです。あるいは、回答さえしてくれないかもしれません。しかし、田村室長が回答していることから、担当係長は谷さんからの問い合わせを「政治家案件」として扱ったことになります。そうすると、田村室長だけでなく、もっと上のレベルまで、この森友学園の土地購入が安倍首相夫人が関係する「政治家案件」だと考えても不思議ではありません。
それまでは、近畿財務局マターで進んでいた話が一気に本省マターの「政治家案件」になり、籠池氏の言う「神風」が吹くきっかけになった瞬間だったと考えるのが妥当でしょう。
そして、今回の財務省が公表した決裁文書には土地取得時の経緯が詳細に記載されているのに、この「神風」が吹く最も重要な瞬間となった、谷さんによる財務省への働きかけが、一切文書に登場しないのは余りに不自然です。
昭恵氏付職員の谷さんによる財務省への働きかけに関する文書を、財務省は隠していると考えざるを得ませんし、森友問題の核心はこの「谷ルート」にあると言っていいと思います。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)