大抵の人は、何かに付けてブツブツと不平不満を言いながら、自分の毎日の生活を、どれ程傷付けているかが分からない。
自分自身に対する不平不満であっても、他人に対する不平不満であっても、自分の脳はその言葉をよく記憶して、いつしか脳の中が不平不満のゴミの山となる。
常に不平不満を言っている人は、不健康だし、寿命も短いと言われている。
早朝に散歩している老人が、万歩計とストップウォッチを腰に着け、殆ど走る様な勢いで、ぐっしょりと汗をかいて、スタスタと脇目も振らず目的地に向かっていく。
目的地にたどり着くや、万歩計を眺めて「ああ、今朝はまだ七千歩しか歩いてない」、ストップウォッチを見て「いつもより、三十秒遅い」と、厳しい顔をして不平不満を口にしている。
孔子の名高い言葉に「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」(先進)がある。
やり過ぎるよりは、やり過ぎないで、少し手前で止まる方がよい…と言うのである。
進み過ぎるよりは、ちょっと手前でストップするがよい。
自転車を運転している時でも、そうだろう。
進み過ぎたら事故を起こす。
体力の限界を越えてまで、汗をかいて無理に頑張ろうとするから、人生が苦しみとなる。
無理な事を頑張ってやる必要はない。
全ての無理が悩みの種となる。
不平不満を言いながら人生を終える人は、知恵の足りない人だと。
孔子は「知者は楽しむ」と言っている。
どんな絶望の時でも、無理さえしなければ、必ず楽しみを見つけられると。