紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高地方の米農家「にじのきらめき」に品種転換 〈2024年11月8日〉

2024年11月08日 08時30分00秒 | 記事


JAの直売所なども販売
(印南のフレッシュマート特産品特売所)


 地球温暖化による記録的な猛暑で年々、米のデキが心配されるようになるなか、日高地方でもコシヒカリやキヌヒカリに代わる救世主として「にじのきらめき」が注目を集めている。暑さに強く、育てやすく、おいしいのが魅力。日高地方でも一昨年に県の推奨品種に指定されて以来、にじのきらめきに転換する農家が増え、令和6年度の作付面積は全体の3割以上を占めた。
 
 近年、記録的な猛暑の影響で米の品質低下が問題となっている。コシヒカリや県内で親しまれているキヌヒカリなど多くの米は高温にさらされると米粒が白くにごり(白未熟粒)、等級が下がる。
 そんな中、2018年に国の研究機関、農業・食品産業技術総合研究が開発した「にじのきらめき」は、極早生品種のキヌヒカリより出穂が2日、成熟が5日遅い早生品種。育成のしやすさが最大の魅力だ。高温でもよく実り、背丈が短い穂は倒れにくく、収穫期間も長くとれるとあって悪天候に対応できることから収穫量も多い。コシヒカリやキヌヒカリと比べ、標準的な施肥で15%、多肥で30%多く収穫できる。白未熟粒の発生が少ないことから玄米品質に優れ、昨年産で前述銘柄より品質も1等級ほど高い。
 JA紀州では、出願公表された翌年の2019年から試験的栽培に着手。研究を進めた農家の救世主として手応えを感じ、県推奨品種となった一昨年から積極的に栽培を推奨。日高地方でもキヌヒカリなどから切り替える農家が増えている。現在、21の県で産地品種銘柄となるなど全国的に急速に普及が進んでいる。
 消費者にとってもひとまわり大きい米粒は外観もよく食べ応えがありうま味も豊富。価格も前述銘柄と同程度で取引されているとあり人気になりつつある。日高地方でもJA紀州の直売所などで販売されており、大粒で食べ応えたっぷりの味にリピーターや食卓のエースに切り替える消費者も増えてきており、飲食店でも採用され始めている。
 JA紀州では「年々、猛暑が厳しくなるなか、農家の皆さんが作りやすいのが最大の魅力。水を多めにして炊いていただけると、より一層、おいしく味わえます」と話している。


 その他の主なニュース

県下8市の自治連代表と岸本知事ら県当局と県政懇談会

県高校ソフトテニス新人大会個人で近大の芝本智哉君(印南中出身)優勝 

御坊JC主催 日高地方の小学3~6年生対象「お仕事体験イベント」

ビブリオバトル御坊大会で石川菜那さん(日高附属中)前田知哉君(日高高)優勝