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美浜町第1若もの広場改修事業「一旦中断」 〈2024年11月16日〉

2024年11月16日 08時30分00秒 | 記事


議会全協で事業の「一旦中断」を表明


 14日に開いた美浜町議会全員協議会で、町執行部が第1若もの広場改修事業の設計委託費追加予算が議会の賛成多数で削除されたことを受けての方針を明らかにした。計画の見直し、中止も選択肢に上っていたが、煙樹海岸活性化基本構想の中核をなす事業の一つで、実施設計中だったこともあり、一旦中断する方針を表明。ただ、中断では問題解決にはなっておらず、今後、現行計画で推進するのか、計画を見直すのか、中止するのか、引き続き町の対応が迫られる。

 第一若もの広場改修事業は煙樹海岸活性化基本構想の一環として広場のグラウンドを全面人工芝化し、吉原公園内テニスコートとゲートボール場を移転させる計画。事業費は4億3290万円予定。令和7年度中の着工をめざし、実施設計中だったが、9月議会に提案された設計費の追加予算が賛成多数で削除されたため、事業がストップし、町の対応が注目されていた。
 この日の全協で、煙樹海岸活性化基本構想のトップを務める石塚和夫副町長が、東京出張中の籔内美和子町長に代わり「議会の議決で事業の推進が困難な状況になったので、関係者にご迷惑をおかけすることも考慮し、事業については一旦中断する」との方針を表明した。設計業務は議決のあった9月18日からストップしており、契約額はそれまでの期間の出来高で精算することも報告した。
 今後の対応として事業の必要性や採算性など議会や住民から理解が得られる説明、努力を続けながら計画を推進していくのか、反対のある人工芝化や保安林伐採が必要な駐車場など計画を見直すのか、事業そのものを中止するかが考えられるが、中断期間のメドはないことから、すべての可能性、選択肢を残した状態が当面続くことになる。
 煙樹海岸キャンプ場の充実(通年オープン、遊歩道整備等)や若もの広場改修、水産加工販売施設開設が中核となる煙樹海岸活性化基本構想について石塚副町長は「実現できるものは実現させたいという考えに変わりはない」と述べた。議員からは「事業をやりたいという執行部の熱量、熱意が伝わってこない」「中断は良い判断。考え直してもらいたい」「保安林伐採はケースバイケースで判断する」「住民への説明、理解が不十分だった」などの意見が聞かれた。

混雑緩和、事故防止へ全力
シーサイドフェス計画書説明
 12月1日に煙樹ヶ浜で開催する町制施行70周年記念イベント「We♡(Love)MIHAMAシーサイドフェス」の実施計画書を説明し、航空自衛隊ブルーインパルス展示飛行、花火大会に伴う混雑解消や事故防止へ「全職員を挙げて最大限努力する」とした。
 3万人の人出を想定して有料のパーク&ライドや一般駐車場を用意。JRは臨時便を含めて1万人の利用を見込み、御坊駅から煙樹海岸まで5分おきにシャトルバスを運行。会場はメインのキャンプ場、サブの憩いの広場、第1若もの広場、松原高台(展示飛行観覧のみ)に分散させる。
 人気の展示飛行時間帯前後では町内外で交通渋滞、混雑するのは必至とみられるため、町職員、町消防団員、警察、警備会社ら総勢382人体制で警備に当たる。町民には「概ね町内で観覧可能なので、当日は車での移動自粛と徒歩での移動」を呼びかけている。


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日高町の黒竹産地を守ろう!内原小児童が竹林造成へ植栽 〈2024年11月15日〉

2024年11月16日 08時30分00秒 | 記事


黒竹の苗木を植栽する児童


 日本一の生産量を誇り、日高町の特産である黒竹の産地を守る活動に地元児童が協力――。原谷で進める「耕作放棄地への黒竹植栽の取り組み」で13日、内原小5年生48人が苗木を植え、将来の竹林造成につなげた。生産量は全盛期と比べ、5分の1と大幅に減っており、後継者不足など課題が多い。活動主体の黒竹を守る会(金崎昭仁会長)は、これまで黒竹の魅力を発信したり、竹工芸品創作体験などに取り組んでおり、関心を高めて産業振興に努めたいとしている。
 金崎会長が黒竹産業の概要や活動の目的など説明した後、地元民も協力して指導し、児童は苗木160本をスコップなどを使って耕作放棄地8アールに植えた。同地には関係者が追加で140本を植栽予定で、今後、水やり、施肥、獣害対策などにメンバーが取り組み、順調に育てば来年4、5月ごろに筍が見え始めるという。同校の上杉旺実さんは「植えた黒竹がすくすくと育ってほしい。私が原谷に住んでいるので、育つところを見に来たい」、中津貴斗君は「竹を運ぶとき見た目より重く大変だった。日高町の特産である黒竹を守っていくため、僕も頑張っていきたい」と話した。
 この活動は、令和7年12月までの計画で、県の農業農村活性化支援モデル事業に採択され今年が2年目。減少傾向の黒竹を植栽、育成し、将来的な生産量確保につなげ、特産品として周知することが目的。これまで国際的に注目を集める竹工芸家の弟子を講師として、一般の人に黒竹を用いた工芸品作りを体験してもらったり、SNSで発信するなど取り組んできた。
 同会は2025年大阪・関西万博開催時にレギュラーウイークの1週間続けた宣伝活動で参加することが決まっており、今回の植栽の様子を撮影した動画も、万博でのPRに活用する。今回植えた苗木は、収穫するまで3年程度はかかるという。金崎会長は「原谷のエリアにある120年近く栄えた黒竹産業が、今、衰退しており、守っていかなければならない。地元の皆様はじめ、できるだけ多くの方々に関わってもらい、地場産業の復活につなげられれば。生産量が安定した形で供給できるように頑張りたい」と力を込めた。


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