今や日本では【介護】が深刻な問題になっています。
テレビキャスターである安藤優子さんが回顧する。
「在宅介護も大変でしたが、母を民間の高齢者施設に入れようとした時も大騒動でした。
母が『自分の家があるのに、なぜそんなところに行かなければいけないの!』
『何のためにあなたたちを育てたのか分からない!』と、抵抗したからです。だから、
『家の水道の工事があるから1週間だけ』と言って、何とか施設に連れていきました」
だが施設入所後も、「母は泣くわ喚(わめ)くわの大騒ぎ。『こんなキチガイ病院に
私を連れてきて!』と怒っていたのを、今でもよく覚えています。施設にいる要介護の
人たちを見て、自分は違う、一緒ではないと思うんでしょう。そうした暴言があまりに
ひどいので、施設の方から『落ち着くまで面会しないでください』と言われ、結局、
私たち家族は2週間、施設に出入り禁止となりました」
妻や子どもたちなどと「チーム」を組んで義母の在宅介護を「完遂」したアナウンサー
の生島ヒロシさんも、改めて現実の厳しさを指摘する。
「私たちが1996年に介護を始めた当初は、まだ介護保険制度が始まる前だったので、
ヘルパーさん代だけで月に50万円くらいかかりました。そうした家計の負担も一切
顧みず、まだらボケの義母は『デイサービスは嫌、施設は嫌』など、わがままを要求し
続けた。ボケ始めると、少しずつ子ども返りしていき、自分のことしか考えられなく
なるんですね」
哀しいことに、「死に方」までカネ次第の面があると言えそうなのだが、
「離職した介護者は、介護対象者である父母の月々10万円程度の年金を頼りにしなけ
ればならないケースもあります。これでは施設に預けようと思っても無理で、在宅で
介護せざるを得ませんよね。介護保険制度とは、いつでもどこでも、在宅、施設を問わず
誰もが望む介護を受けられるという狙いで始まったものだったはずなんです」
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に、日本の要介護人口は12年の
452万人から1・5倍も増え、650万人以上になると推計されています。
いつ自分自身が『介護する、される』の当事者になるかもしれません。介護難民に
ならないためにも介護支援制度などに関する知識をしっかりと身につけ、十分な備え
をしていくことが大事だと思います。
テレビキャスターである安藤優子さんが回顧する。
「在宅介護も大変でしたが、母を民間の高齢者施設に入れようとした時も大騒動でした。
母が『自分の家があるのに、なぜそんなところに行かなければいけないの!』
『何のためにあなたたちを育てたのか分からない!』と、抵抗したからです。だから、
『家の水道の工事があるから1週間だけ』と言って、何とか施設に連れていきました」
だが施設入所後も、「母は泣くわ喚(わめ)くわの大騒ぎ。『こんなキチガイ病院に
私を連れてきて!』と怒っていたのを、今でもよく覚えています。施設にいる要介護の
人たちを見て、自分は違う、一緒ではないと思うんでしょう。そうした暴言があまりに
ひどいので、施設の方から『落ち着くまで面会しないでください』と言われ、結局、
私たち家族は2週間、施設に出入り禁止となりました」
妻や子どもたちなどと「チーム」を組んで義母の在宅介護を「完遂」したアナウンサー
の生島ヒロシさんも、改めて現実の厳しさを指摘する。
「私たちが1996年に介護を始めた当初は、まだ介護保険制度が始まる前だったので、
ヘルパーさん代だけで月に50万円くらいかかりました。そうした家計の負担も一切
顧みず、まだらボケの義母は『デイサービスは嫌、施設は嫌』など、わがままを要求し
続けた。ボケ始めると、少しずつ子ども返りしていき、自分のことしか考えられなく
なるんですね」
哀しいことに、「死に方」までカネ次第の面があると言えそうなのだが、
「離職した介護者は、介護対象者である父母の月々10万円程度の年金を頼りにしなけ
ればならないケースもあります。これでは施設に預けようと思っても無理で、在宅で
介護せざるを得ませんよね。介護保険制度とは、いつでもどこでも、在宅、施設を問わず
誰もが望む介護を受けられるという狙いで始まったものだったはずなんです」
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に、日本の要介護人口は12年の
452万人から1・5倍も増え、650万人以上になると推計されています。
いつ自分自身が『介護する、される』の当事者になるかもしれません。介護難民に
ならないためにも介護支援制度などに関する知識をしっかりと身につけ、十分な備え
をしていくことが大事だと思います。