ヒロの残日録 

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母の席に座ってください

2022年10月17日 | 日記

小学生ぐらいの子供にとって、つらいときに手助けしてくれる学校の先生の
存在は大きいものです。担任の先生によって子供の将来が決まると言っても
過言ではありません。


 ◇ネットで見かけ、感動した話です
新米の先生が5年生の担任として就任した時、
一人だけ服装がだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかり記入するようになった。

ある時、少年の1年生からの記録が目に留まった。
「朗らかで、友達好きで、誰にでも親切で、勉強もよくでき、将来が楽しみ」
とある。
先生は間違いだ。ほかの子の記録に違いない。そう思った。

2年生になると「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。
3年生では「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りをする」
そして後半の記録には、「母親が死亡。希望を失い悲しんでいる」とあり、
4年生になると「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供
に暴力をふるう」とあった。

先生の胸に痛みが駆け抜けた。
ダメと決め付けていた子が突然、深い悲しみを生きている生身の人間として
自分の前に立ち現れてきたのだ。先生にとって目を開かされた瞬間であった。
放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない? 
分からないところは教えてあげるから」

少年は輝くような瞳と笑顔で「はい!」と答えた。
それから毎日、少年は教室の自分の机で予習・復習を熱心に続けた。
授業で少年が始めて手を挙げた時、先生に大きな喜びが沸き起こった。
少年は自信を持ち始めたのだ。
クリスマスイブの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押し付けてきた。
後であけてみると香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその香水を身につけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で一人本を読んでいた少年は、気がつくと直ぐに飛んできて、
先生の胸に顔を埋めてさけんだ。
「ああ、お母さんの匂い! 今日はなんて素敵なクリスマスだ」

6年生では先生は少年の担任ではなくなった。卒業の時、先生に少年から1枚の
カードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。そして、いままで出会った中で一番すばらしい
先生でした」

それから6年後、またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。僕は5年生で先生に担当してもらってとても幸せでした。
おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができました」

10年を経て、またカードが届いた。
そこには先生と出会えた事への感謝と父親に暴力をふるわれた経験があるから
患者さんへの痛みのわかる医者になれると記され、こう締めくくられていた。
「僕は5年生のときの先生を思い出します。あのままダメになってしまう僕を救って
下さった先生を、神様のように感じます。
医者になった僕にとって最高の先生は、5年生のときに担任してくださった先生です」

そして1年後。届いたカードは結婚式の招待状だった。
母の席に座ってください。」と一行書き添えられていた。


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