福岡県北九州市にある自然史・歴史博物館です。日本で唯一ティラノサウルス”スー”の全身骨格が常設展示されており、他にも大型恐竜や古生物の全身骨格が大量に展示されています。地球の成立から現代の人の営みに至るまでのいのちの旅をたどる俯瞰的な展示の一方で、北九州に密接に関係する資料も充実した博物館です。ちなみに2017年は開館15周年とのことで、様々なイベントが行われています。詳しくはこちらをどうぞ→いのちのたび博物館公式サイト
自然史ゾーンに入ると恐竜たちがお出迎えです。スーのすぐ後ろにセイスモサウルス(左)とカマラサウルス(右)が。日本でこの2体の全身骨格を常設できる大きさの博物館があるなんて。。。しかも後ろに次々と全身骨格が並んで大行進しているのです。恐竜好きな方にはたまらないのではないでしょうか。
パルナイバイア(ジュラ紀のシーラカンス)
そして喧伝はされていませんが、この博物館にはくらげびとが知っているだけでも複数のシーラカンスのholotype specimen(完模式標本)※1があります。
・Mawsonia brasiliensis(マウソニア・ブラジリエンシス)の完模式標本
・パルナイバイアの完模式標本(すみません、伝聞情報です。)
・Whiteia oishii(ワイテイア・オイシイ)の完模式標本の片方※2とparatype(副模式標本)
こんなに揃っているってすごいことだと思うんですけれど。。。みなさま機会がございましたら、シーラカンスにもぜひ!注目してみてください!
解説員さんにオススメしていただいたエンバイラマ館は白亜紀前期の北九州地域を復元した<白亜紀ゾーン>とその復元に用いられた標本や研究成果を展示した<リサーチゾーン>で構成されています。ネタバレするので詳しく書きませんがこれまた恐竜好きさんが喜びそうな展示です。・・・と、すごく偏った分野の展示しか拝見していないのですが、時間切れで他のエリアが見られなかったので、また来たいです。
博物館公式HP→いのちのたび博物館
※1 新種記載する際に基礎となるtype specimen(模式標本)は通常複数あるが、そのうち最も基準になる個体の標本をこう呼ぶ。holotype以外のtype標本はparatype(副模式標本)と呼ぶ。
※2 もう片方は城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリーにある。
参考資料:「いのちの旅博物館ミュージアムガイド」23 March 2013 北九州市立自然史・歴史博物館発行
「化石101号」March 2017 (p86) 日本古生物学会発行