暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

境界

2018年07月18日 | 古民家

 人が立ち入ってはいけない場所があります・・・・

迷信や神話・・・言い伝えなどで・・・この線から中に立ち入ると良くない事が起こる・・・。

そんな話は日本の各地から聞こえて来ます・・・。

庭園や・・・茶の湯の世界でも・・・「関守石」と言って・・・

門から庭を通り・・・茶室に至るまでの道のり・・・

途中・・・立ち入ってほしくない場所の入り口に、棕櫚縄で石を十字に編んだ「関守石」を置きます・・・。

威圧する事無く、やんわりと注意を促す・・・もてなしの心があるように思います・・・。

多くは結界のように、ここからは神様の領域として境界を示す事が多いように思いますが・・・

男尊女卑の時代・・・(今でも風習として残ってはいますが)・・・女人禁制・・・

富士山などの山・・・酒蔵・・・最近話題になった相撲(土俵)・・・

神様を祭るような所に、女性は入らせないような風習はとても多いようですが・・・

出産や月のものを、汚れとして扱われた時代の名残もあったり・・・いろんな説があります・・・。

自然のものを八百万神(やおろずのかみ)として崇めてきた歴史があるだけあって・・・

そんな場所には、しめ縄をよく見かけます・・・。

それが、神の領域と現世を分ける境界としていたのと・・・不浄のものが入らないようにする役目もしていたそうです・・・。

しめ縄の由来は、天照大神が天岩戸に、もう一度入ってしまわない為の結界だったようです・・・。

開放的な住まいの造りが多い日本の建物ですが・・・

その意味は、高温多湿の気候に会うように造り上げられてきた歴史があります・・・

自然に逆らわない暮らし・・・自然と共存する住まい方・・・

力でねじ伏せるような暮らしをしないように・・・環境に合わせた場所で・・・

気候に合うように工夫した造りで、暮らし向きが出来上がっていました・・・。

境界は、そんな自然の脅威を神の怒りと考えられていた迷信もありますが・・・

自然をうやまうと言う考え方が・・・心豊かで穏やかな暮らしが出来る事だと、教えてもらっていたのでしょう・・・。

抗わず・・・自然体で・・・禅の考え方に通じるのかもしれませんね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする