暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

家のかお

2017年10月21日 | 古民家
 個性的な家を建てたい・・・

人とは違った住まいが良い・・・

自分の趣味を生かせる建物にしたい・・・など・・

長屋・団地・社宅のように、戦後の住宅事情を改善しようと

貧しい生活から抜け出そうと、みんな頑張っている時代・・・。

今見ると画一的な味気ない建物にも見えるのですが・・・時代ごとに

西洋の文化も取り入れながら、個性的な造りの住まいは増えて来たのですね。

個性と言えば・・・古民家でも、特に京町屋には個性的な面構えの建物が町の景観として

軒を連ねていました。


角材を縦・横に組んだ「格子」がそうです・・・。

商いをしている種類でその格子のカタチや・組み方に工夫がされていて

少し太い縦1本にさらに細い縦が2本。(呉服屋格子)


幅の広い縦に隙間は狭く、スノコのようなもの。(炭屋格子)


紅殻塗りされている太い格子。(酒屋格子)

縦の格子が太く、上下の見付け部分も太くてがっしりしたもの(米屋格子)・・・・など


格子の造りで、その商売の様子が見て取れるように思って頂けると思います。


興味の無い人が見ると「格子なんてどれも同じで、古い町中を歩いても同じような家が並んでるだけだね。」

と思うかもしれませんが、派手でなく、押し付けがましくも無く・・・

ふっ・・っと感じさせて・・・気付かせてくれる、この感じが、日本らしさなのだと思います。

個性や派手さ・・・日本人は主張が下手!と言われますが・・・

住まいの真正面に、こんな目立つ主張・・・!

見せ方・考え方は千差万別、その人の想いひとつなのだと思います。

(画像と格子の種類は別物です・・・用意できなくて申し訳ないです。)









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

家族のカタチ

2017年10月20日 | 古民家
 最初は4本足・次は2本足・最後は3本足になるものはなぁ~に??

成長に合わせて変わっていくものは沢山あります。

カタチあるものは、壊れたり・欠けたり・汚れたり・・・

家族のカタチも時間が経つと変化していきます・・・。

以前ある雑誌でテーブルを特集していました。

日本の古くからあるテーブル・・・「ちゃぶ台」


巨人の星でお父さんがお約束のようにひっくり返していた アレです。(若者は調べて下さい)

今ではレトロ家具として人気のようですが・・・


昭和の貧しい時代、家族が川の字になって布団を敷いて寝ていた時代の

無くてはならない生活道具でした。

丸いテーブルは皆の顔が見えて、人が減っても増えても違和感無く対応出来ます。

正方形、長方形、無垢の一枚板で自然の形・・・


細長い何枚かの板を繋げたもの、ベニヤ板で手作りしたもの

3世代使われてきた骨董品のようなテーブル、西洋の格式高い形のテーブル・・・などなど

種類はいろいろありますが・・・

家族の人数で大きさや形が決まったり、住まいの雰囲気に合わせて選んだり・・・

座る場所はどんな風に決めているのでしょう・・・?


たまに人が来て座る位置が変わるとなんか変な感じがします。

以前お話した、囲炉裏では役割ごとにお父さんお母さんと・・・厳格に場所は決まっていました。


そう考えるとテーブルだけでなく椅子も気になりますが、それはまたのお話として・・・

家族で食事を一緒にする時間・・・どれくらいあるでしょう?

食事中会話はするなと言う考え方もありますが、その日の出来事、今度の休みはどうする

他愛の無い会話ができる場所としても・・・

お姉ちゃんの勉強机、お母さんの作業台、お父さんの晩酌・・・


家族それぞれのカタチがあって、みんなの居場所としてのテーブル・・・

一生お付き合いの出来る家族のテーブルと出会えるといいですね。・・・・(答え/人間)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハーフビルド

2017年10月19日 | 古民家
 最近の車はいろんな部分が電子制御で・・・

シートベルトを掛け忘れても警告音で教えてくれたりは、あたり前で・・・

アクセル踏んでも飛びださなかったり

ヘッドライトのHi・Loも自動でやってくれます。

どこか調子悪くなってもお手上げ状態で、自分で治せるような場所は、ほぼ無いかもしれません。

住まいの不具合も、ハウスメーカーさんが「何かあったら何でも相談してくださいねー」と言う

すばらしいお客様対応をしているので、お家の事はお任せ的な方も多いかと思います。


好き嫌い、器用・不器用もあるかと思いますが、じいちゃん・ばあちゃんの世代は

無いものは自分で作ってしまう時代でした・・・

それだけいろいろ考えたでしょう、多くの工夫をして来たと思います。


若い方でも、自分で出来ることはやりたい・・・!と・・・

自分で床を張ったり、左官で壁を仕上げたりと自分の住まい作りを楽しんでいる

方がいらっしゃいます。(知り合いの工務店がそれをうたい文句に頑張っています。)

不定期に参加・企画などしていますが、「森林ツアー」

木の伐採現場を見に行って、次の世代の住まいの材料となる植林を行ってもらい

森を体で感じてもらい、林の現状を見てもらい、木に触れ五感で触れてもらう・・・


加工したものしか見たことが無い子供達・・・どのように使われていたか知らない子供達・・・

土に触れ、木に触れ、その匂いを感じる・・


住まいはそんな体験が出来る場でした・・・


家族にとって一生に一回の大事な節目の時間です・・・

大切な想い出としての、住まい造りをしてほしいと思います。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土間・たたき(三和土)

2017年10月18日 | 古民家
 農家さんの家には必ず家の外に(敷地内)便所が独立でありました

元々便所は寝起きするところから離れたところにありました・・・何故なら

水洗トイレでは無いのでニオイを考えれば必然ですね・・・。

(自分はその年代ではありませんが、夜に用を足す時、外に行かなければならない事になります)

古民家のようなふるい住まいの便所は建物の一番奥・・・浴室と便所が渡り廊下で

少し離れた位置にありました。(理由は同じような事でしょう。)

農家さんの便所は、農作業の途中休憩で、地下足袋を脱いで家の中に入って用を足すのが

わずらわしいので外に便所を作っているのですね。

古民家には必ずある「土間」・「三和土」・・・


農作業で働いてもらう馬や牛と住まいが繋がっているのでその通路や境として・・・

夜の作業をする場所として・・・

竈(かまど)があって、そ下ごしらえの場所として・・・


当時の生活基盤には無くてはならない場所だったと思います。


最近の建物でも、タイルやコンクリート仕上げの土間にはなっていますが

自転車などの趣味の道具置き場・薪ストーブスペース・ダイニング・・・などとして土間を取り入れる

建物も見かけるようになりました。

「たたき」と言うだけに叩く!(敲き土/たたきつち)

土だけ敷いたのでは埃にもなるし、汚れもするので土を固める為に

赤土や砂利に消石灰とにがりを混ぜてつき固める事で硬化させるそうです。

3種類の材料を混ぜて造るので「三和土」と言うのだそうで。


適度な踏み心地と、適度な湿気、タイルやコンクリートには無い存在感があります。

贅沢ではあると思いますが、ここはひとつ・・・「三和土」生活いかがでしょうか?!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無垢と合板

2017年10月17日 | 古民家
 以前知り合った神奈川県のとある工務店の社長さん・・・

土壁にとても思い入れがあって、「合板使って家を建ててはダメですよ!」

「すぐに痛んでしまう材料だって解ってるでしょ!」・・・・と

大層なお叱りを受けてしまいました。


地震に強い家を建てるにはいろんなやり方がありますが


「耐力壁」という合板を使って、強い壁を作るのが基準になっています。

建築基準法も「合板」・「金物」があって耐震の建物と、なっているのが現状です。

「合板」は湿気に弱いです・・・無垢の板や柱でも雨漏れなどで濡れたり・乾いたり

そんな状態が繰り返されると腐ってきます・・・が・・・接着剤で薄い木の板を張り合わせている

合板は湿気で、あっという間に張り合わせた板が剥がれて来て、耐力壁では無くなってしまいます。

高気密・高断熱の家は、いかに壁の中に湿気を入れないようにするか?隙間を無くす施工が大切になってきます・・・

それは壁の中の湿気が合板を痛めてしまうからです。

屋根の下地も合板ですが・・・昔は薄い杉板の上に杉の皮敷いて、発酵させた土で瓦を葺いていきました。


湿気を逃がす・雨水の流れをせき止めない工夫で雨漏りを防いでいたので、当然家は長持ちしました。

でも、材料代は大きく変わらなくても、作業費・手間がかかります・・・


見えない部分にこだわりを持つ・しっかりとした施工をする事で長く住み続けられる住まいとなるのです。

原木を桂むきのように薄くスライスして張り合わせる、短い加材を繫ぎ合わせて長い材料にする・・・

端材の有効利用かもしれませんが、間伐材などの部材は板材として使う事が出来るので

無垢板だからと言ってそこまで高価なわけではありません・・・。

間取り・形状・材種など、工夫してやれることがまだあると思います。

3~4ヶ月で建てられる家と同じとは言いませんが、


住み継がれる住まい造り・・・考えてみませんか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする