暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

落ち葉

2022年11月14日 | 古民家
 吸いつく冷たさは・・・乾いた心地よさに変わり、季節を越えると冷たさは無くなって・・・
手で包めば粉々に砕けてしまうほど・・・命の重さも感じられなくなってしまい・・・。
公園も道路も町の隅っこにも・・・紙のような落ち葉は身を寄せあっている・・・。
山のように積まれた落ち葉を囲んで・・・風物詩のような焚火を見る事は、もう叶わなく・・・
放り込んだサツマイモの焼ける心待ちも・・・幼い手に包むことも出来ないまま・・・
たくさんの風景が消えて・・・それを教える緩さも許せないとなれば・・・
自分で育て造る喜びを手に持てないまま、かしこい大人になると・・・
その次に時代を育てる世代は・・・もっとその先の世代に何が残せるのだろうか・・・。

儲かりもしなくなった養蚕から・・・サラサラと手が引かれて、自然を相手の暮らしが無くなって・・・
お米造りが儲からなくなって・・・農家から遠く離れてしまうと・・・
遠い先でも無い暮らしに・・・お米造りも自然を相手にしなくなるのだろうか・・・。
お酒造りは・・・かじかんだ手や頬をトマト色にして、麹や醪と対話しながらの造りだったけれど・・・
空調も整備された快適な建物の中で・・・粛々と作られる工業製品になろうとしている・・・。

落ち葉は悲しく落ちるのでは無く・・・芽吹きが始まるから、春に向かって飛んで行くだけ・・・
自然を理解し受け止めれば・・・落ち葉も手の中で踊り出すのかも知れません。


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一途

2022年11月13日 | 古民家
 一途の競争をしてみると・・・幼さを前に出すか、それ以外に楽しみが無いのか・・・
仕事でガリガリ向き合って見る・・・理由なき理由でも持ってないと・・・
人の集中力に長持ちは向かないみたい・・・。
半日でも砂場で遊び続ける子供の無邪気さを・・・ずっと手元に持てるなら・・・
誰もが芸術家か・・・腕の立つ職人になっているのかも・・・。

人が手を付けない新しいモノに魅了されてしまい・・・古いモノを大切にしなくなったのはいつの頃からか・・・
何でも手に出来る生活では、もったいないと思える暮らしは手に出来ず・・・。
古くなればなるほど・・・本当は価値が上がると言うのに・・・
朽ち果て・・・みすぼらしく・・・忘れ去られてしまう古さに・・・
振り向きもしない時を過ごしてしまった・・・。

普遍的な石の様子と・・・限りある木の様子と・・・何度も蘇る土の言葉と・・・
身のまわりで寄せ集めた暮らしが、身の丈に合うと思いながら・・・
この先の住まい方に身を寄せようと・・・繋いで行ける文化の話が出るはずなのに・・・
新しいさに目を奪われてしまうと・・・古いモノや先人の暮らしと一緒に過ごす意味も忘れてしまい・・・
ガヤガヤした町並みに・・・見知らぬ景色が広がってしまう・・・。
100年もお店が続き・・・毎年続く伝統のお祭りが華やかなのは・・・
一途に向き合う大人と、飽きもせず笑顔の大人の子供らしさがいてくれるからなのかも知れない。


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秀でる

2022年11月12日 | 古民家
 秀でた力を前に出して・・・探し物でもするようにウロウロ見渡し・・・
知らないモノを掴むまで・・・力の矛先を見つけるまで・・・
どこまでも求め続けるのは・・・どうにも止めようがないのかも知れない・・・。

力の差を求めて・・・いの一番になりたくて・・・
誰もが他とは違う何かを探している・・・。
住まい探しもアートのように・・・姿カタチ以外に、その考え方まで・・・
特殊な容姿は遠慮されていた世界が・・・特別な世界は受け入れられるようになって・・・
特殊な技能や才能は・・・神様からの贈り物か、努力して手に入れたものなのか・・・
競い合う中に・・・選ばれる時間はむなしく訪れる・・・。

得手不得手と・・・向き不向きもあるのは致し方なく・・・
職人技を手にしようと努力しても・・・特別な世界に入るには、高い塀が邪魔をして、たどり着けない入口がある・・・。
宮大工と言われる伝統が今でも続くのは・・・継がれ行くモノを守る為・・・
失われた技術もあるけれど・・・未来に繋ぐ特別な技術でも、そこには磨かれてしか残せない技もある・・・
古民家の世界は特殊でも・・・広く開けた間口は誰もが繋げる伝統で・・・
その土地に残されて来た・・・秀でているけど誰もが受け渡せる伝統なはずで・・・
普通の世界の普通の暮らしこそ・・・この先も残されて行ってほしいと思います。

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特別

2022年11月11日 | 古民家
 特別な日に特別が待っていれば・・・とても特別な一日で楽しくても・・・
特別じゃない日に・・・特別でおどかされると、もっと特別な一日になるのかも・・・。
いろんな大人が作った今日の日が・・・たくさんの記念日になって来たのはいつの日からか・・・
特別は・・・少ないから・・・特別なんだと思う・・・。

棟上げをすると・・・棟梁や家主が屋根から、お餅やお菓子を放り投げ・・・
住い造りの祝いを、ご近所さんにもお裾分けしていた・・・。
みんなの暮らしをみんなで分かち合う・・・とても良い風習だと思うけれど・・・
知らない誰かが別々に、暮らしを組み立てて行くと・・・
店先に並ぶような住まいを選んで買って来て・・・
みんなで喜びあえる・・・特別な日が一つ・・・無くなってしまう・・・。

足の裏や・・・足の指のあいだにムニリと土の感触が心地よくて・・・
手の平にまとわりつく、ネチリとした冷たさが心に残る・・・。
土壁を、近所の子供達でこねくりまわして・・・数か月もすると強烈な臭いをまき散らし・・・
藁や麻の発酵が進めば・・・粘り気のある土は、竹小舞にムリリとしがみ付いて・・・
100年も暮らしを守ってくれる・・・。
住い造りが特別なのはご近所さンも一緒で・・・お裾分けは誰もが分け合い受け取り・・・
一生に一度の特別で・・・みんなで喜び合える記念日なんだと思う。


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身の丈

2022年11月10日 | 古民家
 ひっそり過ごして来た暮らしの数々が・・・ウロウロと駆けずり廻り始めて・・・
想いとは違う方向に暮らしが進み始めたのは、何がきっかけだったのか・・・
好奇心がすべての始まりなら・・・ずいぶんと長く、際限がないのだと思う・・・。

ほどほど・・・身に余る、身の丈に合った・・・
謙虚な振る舞いや・・・控えめが美徳な暮らし向きは、そこかしこに細やかなしつらえが潜んでいて・・・
住いの中にもちりばめられて・・・気付きそうで気付かない・・・
説明されなければ見向きもせず・・・風流だとか粋だとか・・・
詫び錆と・・・文化の極みのような楽しみ方も生まれる・・・。

1年に受ける恩恵を・・・楽しみながら受け入れて来た暮らしは・・・
時々に見え隠れする変化を言葉や色に映して・・・
催事や仕事・・・大きく変わる節目に潤いを与えるように、地域の繋がりはまとまり始めて・・・
お互いに住み継ぐ意味を、育てて行ったような気がします・・・。
緩やかで、いい塩梅の流れが・・・古民家の暮らしにはあったような気がします。

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