花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

カッコソウと絶景の鳴神山・その3

2012年05月17日 | 登山


一通り展望を楽しんだので、時計を見ると10時を
過ぎたばかりだった。

みんな食べているので昼に近いのかと思っていたが
2時間も早い。
しかし栄養補給と水分補給をかねて、私もアンパンと
ウイダーインエネルギーとアクエリアスを飲んだ

身支度していると、またもや団体の中高年が登ってきた
すれ違った人に「富士山が見える」と聞いてきたらしい
開口一番「富士山が見えますか」と聞く

日本人には、何と言っても富士山である。
これほど日本人の精神構造に影響を与えた山は有るまい

深田久弥も日本百名山で「世界各国にはそれぞれ名山がある
しかし富士山ほど一国を代表し、国民の精神的資産となった
山はほかにないだろう。」と語り「もしこの山が無かったら
日本の歴史はもっと別な道をたどっていたかもしれない」
とまで述べている。

確かに考えて見れば、深田が述べているように、一夏に
3千メートルを超すような高山に、数万の登山者が登る
山は他に無いかもしれない。

桐生岳の山頂は狭い、私は「お先に」と挨拶して下り
隣の仁田山岳の「赤城山眺望」と書かれた展望地に行った
ここから真正面に見えるのが、上に掲載した赤城山である

仁田山岳のヒメイワカガミを覗いてみると、花が少なく
しかも開いていなかった。
今年の異常気象は、花の時期も狂わせている。

頭上に咲く東国ミツバツツジも咲き始めで、花が少ない

登りで途中までご一緒したご夫婦と、また出会って
椚田峠を目指して一緒に下った。
遠くで夏鳥と言われる「ツツドリ」が鳴いている
ポッポッポッと竹筒を打つ音に似ているからツツドリと
言うらしい。
そののどかな鳴き声とは裏腹に、自分の卵を他の鳥の
巣に預けて育てさせるずるがしこい鳥である
最もこれは花友からの受け売りであるが。


尾根の林の中には、今にも咲き出しそうなヤマツツジの
赤い蕾が見えた。

椚田峠に着くと、下から団体であろう賑やかな声がした
カッコソウの保護地の方から、大勢の登山者が登って来ていた
1団体が登り切ったので、降りていったらまたもや
1団体が登ってきた。脇に避けて道を譲る
いずれも中高年の団体で、中にはヨロヨロしている人もいた

一番最後尾から登ってきた女性が、「団体が全部いなくなった
ので、今行くとカッコソウが静かに撮れますよ」と笑って言う


カッコソウの花
ロープで囲われたカッコソウの保護地に降りると、犬を連れた
地元の方らしい人がいた
放し飼いの犬で有ったが、私のそばに来てじっとしている


杉の林に咲くカッコソウの様子


保護地に建てられている注意書き
根が浅いので、踏まれると切れてしまうと書いてある



保護地の下の方で話し声がするので、そっちを見ると
以前この山でお会いした「こつなぎ」さんに似ている
しかし数年ぶりなので確信が無かった。
そちらの方もこっちを気にしている様なので降りていった

パトロールの腕章もしているので「パトロールですか」と
さりげなく聞いた。
「こつなぎさんですよね」と尋ねるとそうだと言う。
こつなぎさんも、私の黄色いスパッツに覚えが有って
私ではないかと思ったという。

それからしばらくの間、杉の林の下で、諸々の話を交わした
本当はもっと話をしたかったのだけれども、私のとんだ失敗で
明るい内に帰らなければならない理由が有った
こつなぎさんに理由を説明して別れたのだった。


ルイヨウボタン、カッコソウの保護地の近くに群生している

ルイヨウボタンの花の部分
この花は茎が細く、少しの風でも揺れる
ボケるし、アップしたら蜘蛛の巣までついていた。
まあ良い、そのうち傑作を撮ってやる!! (笑)


ヤマブキソウ


ヤマブキソウ
下山口のこつなぎ橋までは、沢ぞいの道を下ってゆく
道沿いにヤマブキソウの花が盛りで、次から次へと花が見つかった
残念ながらシロバナエンレイソウは終わっていた。

その代わり杉の葉の間からフタバアオイの葉が沢山出ている
下を覗くと、葉の茎の途中から花が出ていた。

フタバアオイ・別名カモアオイ・ウマノスズクサ科カンアオイ属

葉柄の基部に花がつくフタバアオイ


フタバアオイが群生


沢沿いの道を下れば


小滝が有ったり


徒渉する場所が有ったり、


ようやく「こつなぎ橋登山口」についたのは
12時48分だった。
すぐ近くに「こつなぎ橋」という橋が架かっている。
前回ここについたとき、カジカの涼やかな声がしていたが
昼のこんな時間では、聞こえるはずもなかった。

舗装された長い道を歩いて、大滝登山口についたのは
午後の1時過ぎであった。

おしまい



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