泉門池を出るとすぐに小田代ヶ原に抜ける分岐がある。
前回は小田代ヶ原に行ったが、今回は無理せず戦場ヶ原の
一周コースを歩く。赤沼まで2.8キロの表示がある。
7日のブログで紹介した案内板のコース図とコースタイムの
拡大した写真を参考に掲載します。
コース図、ここから青木橋→赤沼分岐→赤沼→三本松駐車場と
回るつもりだ。
主要区間のコースタイムと道順を示す図
案内板を見ていたら、たぶん自然博物館主催のスノーシュー
トレッキングの参加者と思われる団体がやってきた。
脇に寄って道を譲ったが、想像以上に参加者が多くて、ずいぶん待たされた。
山ガール風の若い娘から中高年まで、多彩な参加者だった。
写真は最後尾の参加者を撮影したもの。
こういう企画に参加した若い人は、やはり他の人から学ぶのか、きちんと
私の顔を見て挨拶していった。
白い林間で目立っているのは、倒木のコケだった。
彼らはこうやって次世代の木が育つ土を作っている。
多少のアップダウンを繰り返して、原生林の中や、湿原の端の
木道を抜けるとやがて湯川に架かる青木橋に着く。
そばにあるテーブルベンチに、いくつか雪が積もっていたが、乾いた
ベンチにザックをおろして、一息入れた。
そこへ赤沼方面から歩いてきた二人連れのご婦人が来て、泉門池への
道はこちらで良いですか と尋ねてきた。
コースを説明して、何気なくどこまで行くのかを聞くと、光徳まで行く
という。
北戦場ヶ原の木道が凍り付いて滑りますよと言うと、今回はスノーシュー
を持って無いから、どうしようかと相談していたが、引き返しますと
決断して引き返して行った。
前に歩いたときは、スノーシューを持ってきたが、全然使わず背負って
歩いただけだったので、今回は持たずにきたのだそうだ。
湯川に架かる青木橋
やがて遠くに見慣れた立ち枯れの木が見えてくると
付近にはこんな案内が出ている
小さな唐松は、
戦前に植林されたものだという
今だから愚かな行為と思えるが、当時の人にとっては必死の作業だったかも知れない
雪原に墓標のごとくたつ唐松こそ、気の毒と言うほか無い。
小さい老木と男体山
見上げる立ち枯れの木、この木は、湯川の土砂でここまで成長出来たの
だろうか。
朽ちても尚立ちつくす姿は、堂々としている。
その先は、戦場ヶ原の展望台と言われるテラスとベンチがある場所に
出る。日光連山を展望する場所だ。
がこの雪の中では休んでいる人は少なかった。
展望台付近から見る日光連山、大真名子山と小真名子山
同じく太郎山
ところで戦場ヶ原の中に糠塚と呼ばれる丘が有る。
地図には三角点のマークもある場所だ。
その糠塚は、前白根山の尾根の一つだったものが、男体山の爆発で
火砕流で埋まり、わずかに埋まらなかった尾根の名残だという
この案内版の出ている一帯を見回しても、この時期には見分けにくい
私のカメラでは、一枚に収まりきらないのが残念だが、日光連山の
青空写真をどうぞ。左から山王帽子山、太郎山、小真名子山、大真名子山、
右端は男体山の裾野、小真名子山と大真名子山の間に白くちらりと
見える雪山が女峰山。
こちらは、小真名子山から男体山まで
振り返ってみる温泉ヶ岳
後半は湯川沿いに歩く道だ。
解禁されると釣り人が糸を垂れている姿が見られる場所だが
今は誰もいなかった。
ひたすら歩き続けて、ようやく赤沼分岐に到着したら、先ほど
青木橋から引き返したご婦人方に出会った。
聞くと光徳のアストリアホテルに宿泊するのだそうだ。
花の話などをしながら赤沼まで一緒に歩き、国道に出たところで分かれた。
氷とぬかるみの歩道を、三本松が遠いと思いながら歩いて行き
ふと前方を見やると、何と泉門池ですれ違ったスノーシュー
トレッキングの団体さんが屯している。
私が歩いたコースを逆に歩いたのだろう。
三本松駐車場と除雪した雪の山
暖かい飲み物と菓子パンで一息入れた。
帰り道、もう一度歌ヶ浜に寄ってみた。
もう日が傾いて、きらめいていた氷も光を失っていたが
ゆっくり見てみると、つららの重みで枝が倒れていた。
昼前に寄ったとき、写真を撮ることに夢中で気がつかなかったのだ。
アイゼンを付けて湖畔に寄り、中をのぞくと、打ち付けた波が凍り
悪魔の手のような造形を描いている。
彼方には相変わらず日光白根山がくっきりと姿を見せていた。
夕日に染まる姿を見たいと思ったが、いろは坂の凍結が怖い
諦めてかえることにした。
日光有料道路の日光パーキングから見た高原山
これで本年度一回目の日光詣では終わった。
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尾瀬の鹿の食害でついに鹿の捕獲決定、群馬県
先日、
NHKのニュース で群馬県が尾瀬の鹿を捕獲する決定をしたと言う
ニュースが流れた。
それはそれで仕方がないのだけれど、鹿だけを悪者にして幕引きしては
ならないと私は思う。
意外と知られていないのだが、鹿の足の長さは46センチから50センチと
言われている。
それ故に、積雪が50センチを超すと、鹿は歩行困難となり身動きが
とれなくなる。
そのため鹿は、積雪が50センチを超すような場所では越冬せず、麓や
雪の少ない場所に移動していた。
ところが地球の温暖化で暖冬傾向が続き、降雪量が減ったため
鹿が移動せずに居着くようになり、また雪による自然淘汰もなく
鹿が増える傾向が続いている。
奥日光も同じような傾向で、鹿の食害が深刻である。
それ故に、鹿に樹皮を齧られた木が枯れる→枯れた木に虫が入る→
その虫を狙ってキツツキが来る→故に奥日光ではキツツキが増える
という笑えない現象も起きている。
もう一つは、山麓に鹿除けの電気柵を張り巡らされ、行き場を失った
鹿が、山に登り、高山植物を食い荒らすという現象も起きているという。
これは八ヶ岳の山小屋の主人が、先日放送された山番組で言われていた
知は力なりと言われる。
まずは知ることから始まる。
そして自分の出来ることから始めよう。