花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

古峰神社から雪の古峰原と三枚石に行く・その三

2010年02月23日 | 登山

カーブを曲がった左に、古峰原峠と書かれた案内標柱とコースガイドの大きい看板が立っていた。


そばには東屋も建っており、目の前には広い雪野原が広がっていた。
どうもそこは湿原の様だった。

湿原の入り口には、関東ふれあいの道の案内板が立っており、まっすぐ湿原の脇を西に行くと
「深山巴の宿(じんぜんともえのしゅく)」を抜けて、わたらせ渓谷鉄道の通洞駅に出るという修験行者の道で、
ここから左の南に行くと、三枚石と方塞山(ほうさいさん)を経由して井戸湿原に至る
およそ5キロの健脚コースであると書いてある。

どこまで行くか決めかねていたが、時間が12時に近かったので、とりあえず昼食タイムにした。
東屋に入って食事をしていたら、三枚石の方から男性の登山者が一人おりてきた。
挨拶をして話を聞いてみると、埼玉から来た人で、あの冬期通行止めのゲート前に駐車して
いた車の持ち主らしい。
通りかかった車に聞いたら、一つ目のゲートよりも中に入っても良いんじゃないと言われて
二つ目のゲートまで来たという。
流石に二つ目のゲートから先は、帰りの時間に閉められていると帰れなくなるので、その前に
駐めたという。

三枚石まで行って来たと言うので、様子を伺うとアイゼン無しでも歩けますよという。
しかもほとんど平坦な道だという。
この平坦という言葉にひかれて三枚石まで行くことにした。

埼玉の人も私と同じ禅頂行者道を歩くつもりであったらしいが、時間的にも無理なので
このまま下山しようかなと言っていた。


食事を始めた男性にお礼を言って、私は三枚石を目指して雪の山道へ登って行った。
ほぼ平坦という話で有ったが、年代の差で有ろうか、私にはとても平坦という感じには思えない。


流石に修験者のかよった道である、鳥居が二つ立っていて、二つ目の鳥居から5分ほど歩いた尾根で
振り返ると木々の間から日光連山が見える。


女峰山


秀麗な男体山と大真名子山


左の奥にはとんがった皇海山まで見えている。

とするとこれは地蔵岳と夕日岳なのだろうか

残念ながら木々にジャマされて、正確に同定することが出来なかった。
もし夕日岳に行けていたら、日光連山が手に取る様に見えた事だろう。

そこから雪に隠れた階段や石の道を登ると、井戸湿原へ4.5キロと書かれた標柱が有り
さらに10分程登ると、大きい石がゴロゴロ散乱している「天狗の庭」に出た。



天狗の庭の大石をすり抜けて、やや緩やかな道に出ると古峰ヶ原の山頂は近い。
どう見ても右の方が標高が高いなと思っていたら、木の枝に赤いテープがまいてあり

右の斜面に足跡が付いている。
私もその足跡をたどって登ってみると、やはりそこは古峰ヶ原の山頂だった。

立木に「栃木百名山43座 古峰ヶ原 1378m」のプレートがつけられている。
このプレートが無ければ、どこが山頂なのかも判らないよう平坦な場所で、しかも展望は無い。

GPSで確認すると、三枚石はもうすぐである。
そうなると現金なもので、俄然元気も出てくる。
雪を蹴散らすように歩くと、目の前に大きな石を重ねたような三枚石に出た。



日光開山の祖として名高い勝道上人が、ここで座禅修行をしてから日光に赴いたらしい。
三枚と三昧をかけことばにして「三枚石」と呼ばれたのかも知れないが、そもそも三昧の
意味が良くわからない
座禅三昧という意味からでたのだろうか。

時間は13時35分であった。これなら何とか日暮れまでには下山出来そうである。
廻りに色々な物が有るので写真で紹介します。

三枚石の隣に有るのがこの夫婦石、なにやら石の割れ目から立木が、、、、、


三枚石に並んで立っている「金剛童子の窟」


弘法大師の像


大白龍神


辨天龍神


勝道上人の史跡


案内標柱には古峰神社に直接下山できるルートも表示されているが、最初のブログで
紹介したように、飛んでも無い急坂のルートで、単独では何があってもどうすることも
出来ないので、安全を考えて来た道を帰る事にした。


古峰ヶ原湿原が良く見える場所まで下山して気がついた。

湿原の脇に休憩小屋のような建物がある。もしかしたらあれが古峰ヶ原ヒュッテなのだろうか
だとしたら、ふきっさらしの東屋よりあっちの方が昼食には良かったかも知れない。

峠に着いたら14時12分であった。
余裕が有ったので、次回の為に行者沼や行者岳に向かうルートの入り口を確認しに行った。

それは車道の40カーブの所にあった。右に入る雪道に車が数台駐まっていた。
GPSでポイントを記録して峠に引き返した。

そして車道の右のガードレールの下に、関東ふれあいの道の表示が立っているのを見つけた。
登りの時は反対側を歩いていたので、気がつかなかったのである。
これで車道歩きも少しは軽減出来る。
私はためらう事無くふれあいの道を下っていった。



沢に沿った道なので、吹きだまりには結構雪が積もっていたり、急な坂があったりしたが
少しも苦にならなかった
人間とは不思議な物である。

場所に寄っては左上を見上げると、そこは車道だったりする。


やがて車道との合流点が近づくと「へつり地蔵」を祭ってある大岩に出る。
江戸時代に深山巴の宿での厳しい修行に耐えきれず、逃げてきた修行僧がこの場所で掴まり
殺されたので、哀れんだ土地の人々が、供養の為にたてたのがこのへつり地蔵だと言われていると書いてある。
そして「へつり」とは「少し削り取られた場所」という意味で、山中や川岸の険しい場所を指すという。

やがて往路に通った第二ケートの車道に出た。
あの埼玉の人は帰ったらしく、車はもう無かった。
再び長い車道を下って行くと、トラックから砂をまきながら登ってくる作業車が来た。
雪を溶かすのと、滑り止めを兼ねてまいているのだろう。

運転している人が、私を見て「人が通るからね」と後ろの作業員に声を掛けた。
「おう」と返事をして、砂をまく作業をやめた。
私が車の脇を急ぎ足で通ると「そんなに急がなくても大丈夫だよ」と声を掛けてくれる。
年寄りが転んだら大変と思ったのだろうか。

砂をまいた県道

古峰神社に無事に下山して、遠回りであったが雪の無い14号線をそのまま走って鹿沼に抜けて帰ってきた。

終わり。

主要GPSポイント追加

古峰神社前の駐車位置 北緯36°39′11.26″東経139°31′40.88″

地蔵岳入り口 北緯36°39′19.49″東経139°31′15.28″

関東ふれあいの道入口 北緯36°39′16.83″東経139°30′33.88″

古峰原峠 北緯36°39′01.58″東経139°30′05.76″

天狗の庭 北緯36°38′29.30″東経139°30′30.71″

古峰ヶ原山頂 北緯36°38′26.32″東経139°30′32.21″

三枚石 北緯36°38′19.29″東経139°30′34.99″

行者沼入り口 36°38′58.47″東経139°29′56.12″

上記のポイントは私のGPSの計測したポイントで、必ずしも正しいとは限らない。
使用には自己責任で御願いします。



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