クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

江 姫たちの戦国 下 田渕久美子 著

2010-12-14 05:44:04 | 読書
 浅井3姉妹の悲劇のうち最も過酷な後半。これまでは、3姉妹はいつも同じ立場でしたが、最後は、3姉妹を引き裂く出来事、関ヶ原、大坂の陣が起こってしまいます。長女の茶々は、豊臣の母、三女の江は、徳川の妻であり、豊臣に娘を嫁がせた母として、また、次女の初は、この両家の板挟みとなる。男達は戦うことだけを考える一方、女達は何とか戦いを止めようと奮闘する。しかし、この時代の女性の力は聞き入れられず、最悪の結末を迎える。
 この物語の冒頭、江は夢を見ます。何度も何度も同じ夢を。それは、暖かく柔らかい手に触れる夢でした。江は生涯この手の感触を探し続ける。母市のものでもなく、叔父信長のものでもない。父の手でもなく、秀吉の手でも、利休の手でも、2人の夫の手でもなかった。最後に3人目の夫である秀忠の手の感触であることが分かる。ここで、二人の出会い、3姉妹の運命が決定づけられる。波瀾万丈の人生の中で、この夢の手の感触を見つけるために多くの人と出会い、最後に運命と出会う。この本を読んで、結局運命は初めから決まっていて、変えられない、これは、天下人でも我々庶民でも同じなのだということです。
 これで、来年の大河の予習が終わり。ドラマがどんな展開になるのか、楽しみです。
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