「恋文の技術」
森見登美彦 著
手紙の良さをあらためて思う。
小説の妙であり、この本を読んで技術が上がるかといえば、
?がつくけれども手紙の書きたさは上がる。
主人公のは守田一郎。
大学院から僻地へと飛ばされて、研究以外やることのない生活から
文通修行をはじめる。
友人に妹に家庭教師だったころの教え子に先輩にと。
そしてなによりも届けたい人に送るため、
手紙に想いを込めて言葉を綴るための模索。
どうすればこの想いは伝わるのだろうかと。
おっぱい事件等の寄り道をしながら。
手紙はなによりも書いた字、書かれた字のあたたかさが伝わる。
その特別な温度が心を揺さぶってくれる。