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( 「その1」から続く )
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太田教授が日本で
リモート移住が結局は
失敗に終わる可能性が高い
とする最大の理由として
あげているのが
「地域社会の同調圧力」
の存在だ。
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農村など地方社会の
「同調圧力」
というのは想像以上で
とても都会人に
耐えられるものではない、
というのだ。
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ところで、この
「地域社会の同調圧力」
という点では、
京都には
祇園祭や五山の送り火、地蔵盆など
他の地方都市でも
あまりみられないような
強い結束が必要とされる
地域をあげての行事があり
同調圧力は決して弱くない
(というか、むしろ強い)
ように思える。
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しかしながら、
京都移住の場合、
それらの行事に参加することは
マイナス(負荷)というより
むしろメリット(長所・特権)
と積極的に捉える方のほうが
圧倒的に多いのが現実だ。
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まさに、
京都ブランドのなせる業
(京都マジック)
とでもいうべきで、事実
祇園祭に参加するために
京都に移住するなら
鋒町(ほこちょう)に、、、、
という方なども多いと聞く。
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( 続く )
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( 追記 )
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冒頭に掲げた
「京都地蔵盆の歴史」は、
祇園祭や五山の送り火
などとともに、
京都を代表する
「夏の風物詩」とされる
京都の地蔵盆を対象とした
という珍しい書。
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「 祇園祭や五山の送り火などとともに、
京都の“夏の風物詩”
と称される年中行事・地蔵盆。
子どもたちの流行現象にはじまり、
時代の影響を受けながら
現在にいたったその歴史は、
一体どのようなものだったのか。
またその歴史のなかで
どういった意義が付されてきたのか……。
文献調査とフィールドワークの成果から、
京都人も意外と知らない
「地蔵盆」の歴史を紹介し、
そこから新たに見えてくる都市京都の姿
を描くディープな京都本 !
【地蔵盆とは?】
毎年地蔵菩薩の縁日である8月24日頃に
京都の各地で実施される年中行事。
「お地蔵さんが子どもを守る」
という理解から、
子どもたちの祭り
と一般的には認識されている。
京都のみならず、
近郊の大阪・滋賀などでも実施されているが、
京都で特に盛んに行われていることから、
京都の盆行事の特色とされ、
京都の都市文化を知るうえで
欠かせないものと言えるが、
これまでその歴史研究は皆無であり、
本書は地蔵盆の歴史研究に
初めて本格的に取り組んだ1冊といえる。
【目次】
序 章 地蔵盆の風景
第一章 京都のお地蔵さま
一 地蔵菩薩の伝来と広がり
二 中世の地蔵信仰
三 泰平の時代と地蔵菩薩
四 六地蔵めぐり
第二章 地蔵会のはじまりと京都
一 中世の墓と石仏
二 「地蔵会」のはじまり
三 発見される石仏
四 17世紀の京都
第三章 近世都市京都と地蔵会
一 京の町と地蔵会
二 宗教者と地蔵信仰
三 木戸と町
四 運営と行事
五 もうひとつの“地蔵盆”―大日会
六 停止・中断させられる地蔵会
第四章 近代の地蔵会
一 「お地蔵さま」が消えた日―明治4~5年の廃止
二 お地蔵さまの撤去と地蔵会の中断
三 明治16年のできごと
四 明治16年の布達
五 メディアと地蔵盆
第五章 地蔵盆の近現代史
一 明治期の歩み
二 大正期の地蔵盆
三 戦時体制下~戦後社会と地蔵盆
四 現在の地蔵盆
終 章 地蔵会から地蔵盆へ
一 地蔵会・地蔵盆の400年
二 近世と近代の間
三 地蔵会・地蔵盆の祭祀
四 かつての町居住者への供養
五 地蔵盆がつなぐもの
地蔵盆関係略年表
【参考文献】・【引用史料】・【各章扉使用写真】
あとがき
著者について
村上紀夫(むらかみ のりお)
1970年愛媛県生まれ。
大谷大学大学院文学研究科博士後期課程中退。
博士(文学)(奈良大学)。
現在、奈良大学文学部准教授。
著書に『近世勧進の研究』(法藏館、2011年)、
『まちかどの芸能史』(解放出版社、2013年)
がある 」(内容)
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