「夏幾日かを
咲いている薔薇たちとともに生きて
ひらいている彼女らのたましいの
まわりにただようものを呼吸する。
散っていくひとつひとつの花を
心をうちあける伴侶となし
散っていくこの姉妹に先立たれる
それは ほかのどの花の中にももういない。」
「あの当時なら 吹く風が
われらの愛の傷口から
静かな炎を奪い去ろうとすれば
できたのだし
われらの魂の中にまで
不安な時間の冷たい光が落ち込もうとすれば
それもできた
しかし今では われらはこんなに
ますます高く密になるわれらの悲しみに守られて
静謐な顔をして燃えている
― 風からは防がれて。」
(リルケ)
***********************
家の庭の薔薇を摘んで生けたものを
朝の光越しに撮りました。
死につつある花、あるいは死に気づかぬ花を
光は惨たらしいほどに美しく包むのですね。
咲いている薔薇たちとともに生きて
ひらいている彼女らのたましいの
まわりにただようものを呼吸する。
散っていくひとつひとつの花を
心をうちあける伴侶となし
散っていくこの姉妹に先立たれる
それは ほかのどの花の中にももういない。」
「あの当時なら 吹く風が
われらの愛の傷口から
静かな炎を奪い去ろうとすれば
できたのだし
われらの魂の中にまで
不安な時間の冷たい光が落ち込もうとすれば
それもできた
しかし今では われらはこんなに
ますます高く密になるわれらの悲しみに守られて
静謐な顔をして燃えている
― 風からは防がれて。」
(リルケ)
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家の庭の薔薇を摘んで生けたものを
朝の光越しに撮りました。
死につつある花、あるいは死に気づかぬ花を
光は惨たらしいほどに美しく包むのですね。
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