白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

即興野郎Aチーム

2006-03-11 | 音について、思うこと
アドリブ演奏がやりたいというひとのために、
ヒントとなるように、ぼくの現在の練習パターンを
書いておこう。
基本的には、弾く曲の変遷はあれ、
ずっと変わらずに続けている方法なのだが。





まず、ウォーミングアップ。
バッハの平均律クラヴィーア曲集第一巻から
嬰ハ短調のフーガ。
次に、イギリス組曲第三番の前奏曲、
モーツアルトのピアノソナタ、
そして、ショパンの幻想即興曲と練習曲を弾き、
ハノンから数曲を選び、指を暖めた後、
コルトーの練習教則本からいくつかの課題を取り出して
ランダムに弾く。





フレーズと、テーマの練習。
指の廻りをよくし、アイデアを思いつき、
それを鍵盤に反映する速度を鍛える。
バド・パウエルのスタイル、いわゆるビ・バップの方法で
テンポを240程度に保ち、
Confirmation、Scrupple from the apple、Oblivion、
Hallicination、Bouncing with Bud、Grooving high、
Donna lee、Butch and butch、Un poco loco、
Palisian thoroughfare、Billys bounce、
I’ll remember april、Oleo,Ornithorogyなどを弾く。
最後はテンポ300程度に上げる。
数小節単位、あるいは数コーラス単位でフレーズの構築を
考える。





ぼくの場合は、トニック、サブドミナント、ドミナントの
それぞれに、暫定的にフレーズの着地点を決めておく。
演奏しながら、どこに着地点を置くかを臨機応変に考えつつ、
代理コード、リハーモナイズといったコードからのアプローチと
ダイアトニック・ノンダイトニック、あるいはアウトといった
フレーズからのアプローチを考える。
もっとも、その過程でうまくいきそうにないとき、
あるいは処理し切れなかったときは、その失敗からいかにして
もう一度音を作り始めるかを考える。
または、演奏中に、設定していた着地点を延期したり
引き寄せたり、裏切ったりしながら、さまざまな展開を
シミュレートしていく。
メロディのつくり方として、跳躍、クロマティックアプローチ、
移調と反行、対位法、リズムパターン、スケール上の音選びなどに
特に注意する。





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ハーモニーの練習。
内声の連関に注意を払いながら、
スタンダードナンバーをアレンジして、
さまざまなハーモニーの進行を練習する。
止まりながらでもよいから、さまざまな音使いを
試行錯誤して、自分の望む響きをひたすら探す。
和音の構成だけではなく、アウトフレーズ、
リハーモナイズなども、この過程で探る。
もちろん、ソロをとる。
このとき、ビバップスタイルを心がけ、
モーダルにならないように心がける。
そして、曲の展開の中で効果的に、モード奏法を
織り交ぜていく。
こうして得られたものを、フレーズ練習へと折り返す。
Autumn leaves、All the things you are、Poinciana、
What is this thing called love、I love you、
If I were a bell、I love you、My funny balentine、
In your own sweet way、I’m old fashioned、
Everything happens to me、I’ll close my eyes
You don’t know what love is、
On green dolphin street、How deep is the ocean、
Bye bye blackbird、Stella by starlight、
God bless the child、Solar、Naima、
Moments notice、Giant steps、Five partners、
I can’t believe that you’re in love with me、
It’s all in the game、Blue monk、Round midnight、
Nardis、Chelokee、Summer timeなどを弾きこむ。





最後に、ジャズメンオリジナルとして、
windows、matrix、Humpty dumpty、Waltz for Debby、
Footprints、Three views of a secret、Looking up、
Training、Little peace in C、Elm、Leaving、Loro、
Koln concert などで遊び、
民謡やポップスなどの素材を元に、あるいは
自作の曲を元に、また、その場で思いついたものを
素材として、即興する。





リズムの練習。
リズムパターンは、4ビート、8ビート、16ビート、
ボサノヴァなどを試す。
メトロノームは使わず、自分のリズム感に照らしてみて
心地よいと思うプロ・ミュージシャンの演奏をヘッドホンで
聞きながら、それをマイナスワンに見立て、
耳から流れてくる演奏に同調するようにして演奏する。
弾く音は、コピーしたフレーズでも、アドリブでもよい。
自分の弾く音が、耳から流れてくる音のリズムに
しっくりとはまってくるまで、弾いてみる。





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そして、常にイメージトレーニングをする。
ジャズのフレーズを、さまざまな楽器の音色、
さまざまなミュージシャンの音色を思い浮かべながら
頭の中で組み立ててみる。
もしくは、何度も聴いて、おぼろげながらも
記憶をたどりながら頭の中で再生してみて、
それがどういう音使い・弾き方で成されているか
頭の中でたどりつつ思い出しながら、
鍵盤で弾いてみる。
楽器が身近にないときでも、時間のあるときには
頭の中で音楽を演奏してみること。





そして、何か新たなヒントを探るために、
あらゆるジャンルの「本物」とされる音楽に触れる。
そのなかで、感性に響いたものを起点として、
網の目のように人脈を追いながら、
よりよい音に触れていく。
そのなかで、さまざまな本や芸術に触れていく。





もっとも大切なのは、
自分の才能を見極めること。
音楽をあきらめるか、それでも続けるか。
ただ、そういうことに思い至る段階に達したときには、
音楽を棄てきることなどできなくなっているだろう。
音を出す前に、すべてはもう終わっている。





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昨日、こんな夢を見た。





ぼくの状況は、定職につけないまま、ニートであるらしい。
安物のよれよれのみすぼらしい服を着て、髪も伸び、
ヒゲも剃っていないまま、図書館に行くようだ。
すると、入り口で、ぼくが7年間、度合いに違いはあれ、
思い続けてきた美しい女性と出くわす。
聞けば、ぼくが大阪を離れてすぐに、結婚をしたのだという。
相手も、ぼくの知人だった。





しばらくして、結婚相手のほうがぼくのほうにやってきて、
彼女を旧姓で呼んだことに激高して、喧嘩を売りに来る。
ぼくに対して、社会不適応、人格障害、下層人民、無能、
低所得者、ゴミ、屑、愚鈍、精神病み、などと
ありとあらゆる罵言を浴びせてかかる。
ぼくが当然、ぶちきれて彼に掴みかかろうとすると、
彼女が割って入り、相手のほうをかばう。
いわく、すべて、あなたが悪いのだ、と。
あなたがどのような環境におかれていようが関係ない、
彼があなたにそういうのも、あなたの責任で、
あなたの置かれている状況も、存在そのものも、
あなたが悪いのだ、と。
そして、ぼくとは、住む世界が違うのだ、と言い残して
去っていく。





ぼくはいたたまれずに、図書館を飛び出し、
ぼろぼろの軽自動車に乗り込んで発進しようとする。
すると、後ろにいるベンツに、何度も何度も
クラクションを鳴らされた挙句、降りてきた男に
車から引き摺り下ろされる。
ぼくを引き摺り下ろした相手は、前職のときの
個所長だったが、
その顔に、大手企業に就職して裕福に暮らす
知人・友人・先輩後輩の顔が入れ替わり立ち代り現れ、
ぼくを嘲り笑っていく。
必死にその手を振り解き、けたたましい笑い声と
嘲りの声、投げつけられる石の雨の中を走って逃げた。
振り向けば彼は消え、つぶれた空き缶のように
ぼくの車が燃え上がっていた。





後ろからクラクションの音がけたたましく鳴り響くなかで
ぼくが帰ってきた場所は、6畳の茶色く毛羽立った
畳の部屋、電気は止まっていて、
すっかり惚けてしまった祖母のうめき声だけが聞こえる。
家族はいなくなっていた。
背中がやけに重く感じ、振り返ると、巨大な新聞記事が
こちらに迫ってきて、ぼくの家族の失踪が書かれている。





扉を叩く大きな音がする。
玄関を開けると、高校時代の恋人が、制服姿で立っている。
そして、ぼくに向け、
「人殺し」
と言った後、包丁でぼくを刺した。
ぼくはおびただしい血を流しながら立ち尽くしている・・・





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こんな夢を見ると、1日、死んだようになる。
医者にでも見てもらったほうがいいのだろうか?





ちなみに現実のぼくは4月より公職に就きます。
こんなところで埋もれはしませんよ。

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