▼無事を祈るモスク
(東京都渋谷区 Sankei 2015.1.23 写真)

兄弟を愛する人は、
いつも光の中におり、
その人にはつまずきがありません。
ヨハネの手紙一/ 02章 10節
新約聖書 新共同訳
あなたは
この世にのぞまれて生まれてきた
たいせつな人。
あなたがなんであり
どこの国の人であろうと
金持ちであろうと
貧乏であろうと
それは問題ではありません。
あなたは
同じ神さまがおつくりになった
同じ神さまのこどもです。
マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)
★【産経抄】キング牧師の遺産 1月16日
◆産経新聞 2015年1月16日 05:05
米アラバマ州モンゴメリーで1955年、一人の黒人女性がバスの座席を白人に譲ることを拒否して、逮捕された。これに抗議する「バス・ボイコット運動」のリーダーに選ばれたのが、マーティン・ルーサー・キング牧師だった。
▼新婚まもないキング家には、爆弾が投げ込まれた。キング牧師は、白人側の迫害に屈せず、ボイコット運動を成功に導いた。63年にはワシントンで、「25万人大行進」を実現する。このときの演説にあるのが、あまりにも有名な一節だ。「私には夢がある。私の4人の子供たちがいつの日にか、肌の色ではなく人格によって判断される国に住むことを」。
▼きのうはキング牧師の誕生日だった。68年の暗殺を免れ、健康に恵まれていれば、86歳になっていた。誕生日に近い1月の第3月曜日は、米国の祝日になっている。各地で追悼の催しが開かれるはずだ。
▼そのキング牧師の子供たちが、遺産争いに明け暮れている。牧師が受賞したノーベル平和賞のメダルは、1000万ドル(約11億7000万円)もの値が付く可能性があるらしい。メダルを売りたい息子2人に娘が反対し、両者の対立は法廷に持ち込まれた。実は9年前にも、牧師の演説草稿など遺品約1万点が、遺族によって売却されている。
▼昨年来米国では、白人警官が職務中に黒人住民を相次いで死亡させており、いずれも不起訴処分となった。抗議デモが各地で広がるなか、黒人が白人警官を殺害する事件も起きている。人種間の対立は激しくなるばかりだ。
▼キング牧師の夢はいまだ実現せず、子供たちは闘う相手を間違えている。何より悲しいのは、牧師のもっとも大事な遺産といえる、「非暴力の精神」が、ないがしろにされている現実である。
(2015.1.16 05:05)

★【外信コラム】ソウルからヨボセヨ
病院・教会・葬儀場の絶妙
◆産経新聞 2015年1月10日 07:36
年末年始に2週間、ソウルで入院した。胆石で胆嚢(たんのう)摘出などの手術を受けたのだが、韓国での入院体験は初めてでいい経験だった。
まず病室が5人室だったが韓国人は見舞客が実に多い。家族や友人、知人が入れ代わり立ち代わりでにぎやかだ。特に子供を含め家族の出入りが多く、家族主義(血縁重視)の強さを実感させてくれる。夫婦だと見舞いにきてしばし一緒にベッドに潜り込んで癒やしたりしている。
日ごろ教会に通っている患者の場合はその仲間が多数やってきて“お祈り”をする。ところが病院内にもミニ教会があって、そこから礼拝案内がきたり牧師が病室に出向く“出前”もしたりしてくれる。病院はソウルでベスト5に入る都心の有力病院だったが宗教系ではない。カーテン越しに隣のお祈りを聞かせてもらったせいか、手術結果も良好で早く退院できた。
韓国の病院には必ず葬儀場が併設されている。日本人にすれば「縁起でもない」と腰が引けるが、病院・教会・葬儀場の3点セットは絶妙ではある。
韓国は近年、国策として「医療観光」に力を入れている。得意の美容整形だけでなく一般医療でも外国人歓迎なのだ。緊急入院でそれなりに経費はかかったが、ちゃんとやっていただき困ったことは何もなかった。(黒田勝弘)
(2015.1.10 07:36)

▲2015.1.16 (桑田さん「配慮足りず」)
(東京都渋谷区 Sankei 2015.1.23 写真)

兄弟を愛する人は、
いつも光の中におり、
その人にはつまずきがありません。
ヨハネの手紙一/ 02章 10節
新約聖書 新共同訳
あなたは
この世にのぞまれて生まれてきた
たいせつな人。
あなたがなんであり
どこの国の人であろうと
金持ちであろうと
貧乏であろうと
それは問題ではありません。
あなたは
同じ神さまがおつくりになった
同じ神さまのこどもです。
マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)
★【産経抄】キング牧師の遺産 1月16日
◆産経新聞 2015年1月16日 05:05
米アラバマ州モンゴメリーで1955年、一人の黒人女性がバスの座席を白人に譲ることを拒否して、逮捕された。これに抗議する「バス・ボイコット運動」のリーダーに選ばれたのが、マーティン・ルーサー・キング牧師だった。
▼新婚まもないキング家には、爆弾が投げ込まれた。キング牧師は、白人側の迫害に屈せず、ボイコット運動を成功に導いた。63年にはワシントンで、「25万人大行進」を実現する。このときの演説にあるのが、あまりにも有名な一節だ。「私には夢がある。私の4人の子供たちがいつの日にか、肌の色ではなく人格によって判断される国に住むことを」。
▼きのうはキング牧師の誕生日だった。68年の暗殺を免れ、健康に恵まれていれば、86歳になっていた。誕生日に近い1月の第3月曜日は、米国の祝日になっている。各地で追悼の催しが開かれるはずだ。
▼そのキング牧師の子供たちが、遺産争いに明け暮れている。牧師が受賞したノーベル平和賞のメダルは、1000万ドル(約11億7000万円)もの値が付く可能性があるらしい。メダルを売りたい息子2人に娘が反対し、両者の対立は法廷に持ち込まれた。実は9年前にも、牧師の演説草稿など遺品約1万点が、遺族によって売却されている。
▼昨年来米国では、白人警官が職務中に黒人住民を相次いで死亡させており、いずれも不起訴処分となった。抗議デモが各地で広がるなか、黒人が白人警官を殺害する事件も起きている。人種間の対立は激しくなるばかりだ。
▼キング牧師の夢はいまだ実現せず、子供たちは闘う相手を間違えている。何より悲しいのは、牧師のもっとも大事な遺産といえる、「非暴力の精神」が、ないがしろにされている現実である。
(2015.1.16 05:05)

★【外信コラム】ソウルからヨボセヨ
病院・教会・葬儀場の絶妙
◆産経新聞 2015年1月10日 07:36
年末年始に2週間、ソウルで入院した。胆石で胆嚢(たんのう)摘出などの手術を受けたのだが、韓国での入院体験は初めてでいい経験だった。
まず病室が5人室だったが韓国人は見舞客が実に多い。家族や友人、知人が入れ代わり立ち代わりでにぎやかだ。特に子供を含め家族の出入りが多く、家族主義(血縁重視)の強さを実感させてくれる。夫婦だと見舞いにきてしばし一緒にベッドに潜り込んで癒やしたりしている。
日ごろ教会に通っている患者の場合はその仲間が多数やってきて“お祈り”をする。ところが病院内にもミニ教会があって、そこから礼拝案内がきたり牧師が病室に出向く“出前”もしたりしてくれる。病院はソウルでベスト5に入る都心の有力病院だったが宗教系ではない。カーテン越しに隣のお祈りを聞かせてもらったせいか、手術結果も良好で早く退院できた。
韓国の病院には必ず葬儀場が併設されている。日本人にすれば「縁起でもない」と腰が引けるが、病院・教会・葬儀場の3点セットは絶妙ではある。
韓国は近年、国策として「医療観光」に力を入れている。得意の美容整形だけでなく一般医療でも外国人歓迎なのだ。緊急入院でそれなりに経費はかかったが、ちゃんとやっていただき困ったことは何もなかった。(黒田勝弘)
(2015.1.10 07:36)

▲2015.1.16 (桑田さん「配慮足りず」)