[映画紹介]
1979年のスペイン。
山奥の隔離精神病院を一人の患者が訪れる。
アリス・グールドは裕福な人妻だが、
夫を殺そうとしたパラノイアであるとの疑いで、
医者の紹介状を持って入院して来た。
実は、アリスは私立探偵で、
その病院で起きたある事件の捜査が本当の目的だった。
昨年、ダミアン・デルオルモという少年が、病院内で不可解な死を遂げたのだ。
その少年の死は自殺として処理された。
しかし、事件の2日後に父親のガルシアのところに不可解な手紙が届いた。
ガルシアから依頼を受けたアリスは、
犯人は統合失調症の疑いが強いと判断し、
医師と精神病院の院長アルバの協力によって潜入したのだ。
アリスが院内で襲われ、
その犯人を撲殺してしまう、という事件が起こる。
院長とはこの件で、何度も手紙のやり取りをしたのに、
院長はアリスを知らないという。
院長が判断した結果、
ガルシアから依頼を受けての潜入は、
アリスの妄想で、
実際に夫を殺そうとした事件が起こっていた。
アリスの前に
ガルシアが現れるが、
それはよく似た別人だった。
アリスは、それはアリスの財産を狙った夫の捏造だと主張するが、
鎮静剤を打たれ、隔離病棟に監禁される。
というわけで、
アリスの潜入は本物か、
夫との関係は良好か。
それとも、それ自体がアリスの妄想なのか。
という謎を含んで物語が展開する。
そして、折々挟まれる
病院の放火事件と雨の中の混乱。
そのカオスの中での第2の殺人。
時間軸が微妙にずれて、
最後に一点に収束する。
この映画、2時間半もする。
長いのだが、
長さは感じさせない。
それだけ展開が巧妙だということだ。
病院内の患者のいろいろな姿がアリスにからむ。
中には、アリスと同様に、正気ではないかと思われる存在もいる。
小人症と大きな体躯の妙な組み合わせもいる。
奇妙な双子と妹の存在もある。
医師たちはどちらの味方なのか。
院長の真意は?
アリスの真実の認定は、
病院での審査会に発展するが・・・
アリス・グールドを演じるのは、バルバラ・レニー、美人。
院長を演じるのは、エドゥアルド・フェルナンデス。
原作はトルクアト・ルカ・デ・テナによる同名小説。
監督&脚本はオリオル・パウロ。
Netflix オリジナルのスペイン映画。
最後に現れた人物で、
必ずしも事件が一筋縄ではないことを感じさせる。
どうも観客も騙されているらしい。
同じシーンが使われていても、
前のシーンとは微妙に異なる場面だったり、
全く同じシーンなのに、
セリフの意味が別の意味になるような演出がされているなど。
ラストは原作と違うらしい。
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