空飛ぶ自由人・2

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映画『とんび』

2022年05月02日 23時00分02秒 | 映画関係

[映画紹介]

昭和37年。
瀬戸内海の架空の町・備後市が舞台。
運送会社で働く市川安男、通称ヤスは、町の名物男で、
最近妻の美佐子が生んだ旭(アキラ)は、
「トンビが鷹を生んだ」と周囲から言われている。
幼くして母に死なれ、父には捨てられたヤスにとって、
家庭は何よりも代えがたい宝物だった。

しかし、アキラが4歳の時、
休みの日に家族三人で行った倉庫で、
崩れてきた荷物からアキラをかばった美佐子は
頭を打たれて死んでしまう。
それ以来、ヤスは、男手一つで、
息子を育て上げる。

出戻りで小料理屋を営む姉のたえ子や幼なじみの照雲、
その父親で和尚の海雲などが暖かく見守る。
ある日、母の死の真相を知りたがる息子に、
ヤスは「俺を守るために死んだ」と嘘をついてしまう・・・

というわけで、
中国地方の小都市における、
ある一人のシングルファーザーの人生を描く。
照れ屋で酒が好きなヤスは、
不器用ながらもアキラを優しく真っ直ぐに育てる。
アキラは成長し、反抗期を迎え、
大学を受験し、故郷と父親の元を離れ、東京に出ていく。
そして、就職し、雑誌の編集者になり、
結婚相手を連れて帰郷するが・・・

原作は重松清の「とんび」。

いかにも重松の作品らしく、
人と人の暖かい触れ合いが描かれる。
そして、横溢する「昭和」の雰囲気
近所の人が子供たちを共同で育てていた頃、
「思いやり」や「まごころ」や「人情」が通用した時代の話
やがて、平成になり、令和になり、
人の心も変わっていく。

ある一家と地域を描くことで、
日本人の心のありようを映し出す。
なんともいえない懐かしさに包まれる。

父・ヤス役には阿部寛
息子・アキラ役には北村匠海
その他、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、
大島優子、麻生久美子、麿赤兒らが
脇を固める。

監督は、瀬々敬久

感動作のはずだが、
撮り方が平凡でセンスが悪いことと、
首を傾げるような配役で、
感動には至らなかった。

5段階評価の「4」

拡大上映中。

原作は、2003年10月から2004年7月にかけて、
地方紙などに連載されたもの。
ドラマ化に絶好の題材らしく、
NHKで2012年に、
TBSで2013年に連続ドラマ化され、
いずれもテレビドラマ関連の賞を受賞している。
ヤス、妻、アキラ、たえ子の配役は、
NHK版は、堤真一、西田尚美、池松壮亮、小泉今日子、
TBS版は、内野聖陽、常盤貴子、佐藤健、麻生佑未。

 



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