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原題:The Shape of Things
製作:2003年 アメリカ イギリス フランス
製作:ニール・ラビュート ゲイル・マトラックス フィリップ・ステュアー レイチェル・ワイズ
監督・脚本:ニール・ラビュート
出演: レイチェル・ワイズ ポール・ラッド グレッチェン・モル フレデリック・ウェラー
ほかの作品について書こうと思っていましたが、今回はテレビで見た「彼氏がステキになったワケ」です。あまりのダメダメぶりに時間の無駄だった・・・。と脱力してしまいました。
美大生イヴリンはある日、美術館でメガネをかけ小太りで冴えない容姿をしたアダムという男子学生と出会います。間もなく2人は付き合うことに。彼女と付き合っていく中でダイエットに励み、鼻の整形手術まで施すアダム。彼はやがて、別人のようにスマートでカッコイイ男へ変貌を遂げますが…。
今日は時間の無駄撲滅キャンペーンということでラストも書きます。
アダムは恋する力でどんどん素敵になります。
彼には婚約中のフィルとジェニーという親友がいます。
でもふたりは、ちょっとだけしっくりしていない様子。ある日ジェニーはフィルの様子がおかしい、とアダムに相談します。アダムとジェニー。実はこの二人、昔からお互いに少しだけ意識しあっていました。マリッジ・ブルーな彼女は素敵になったアダムに相談しているうちに自分の秘めていた気持ちを告白し彼に突然キスします。
(ふんふん。よくある展開ですね)
場面は美容クリニックに移ります。アダムは、イヴリンのすすめで鼻の整形をしようと待合室に来ています。「自分もかつては鉤鼻だったが整形をした。なんてことない。」という言葉に励まされ思い切って施術を受けます。
術後、大学にて。フィルは、ジェニーとのキスについて、それから「鼻の怪我」について、アダムに詰め寄ります。フィルはイヴリンから「鼻の事」を聞いていたのです。
もうわかりましたね。
ジェニーが悩んでいたフィルの浮気相手はイヴリンだったんです。二人は喧嘩になり、アダムはその場を逃げるように去ります。
とあるコーヒーショップで、イヴリンとジェニーがコーヒーを飲んでいます。そこへジェニーが居ることを知らないアダムが登場。ここで例のキス事件が発覚。怒るイヴリン。何とか関係を修復したいアダムは「何でも言うことを聞くから」と言います。親友2人か自分かどちらか取れという条件を出された彼は、イヴリンを選びます。
そしてイヴリンの卒業制作の発表の日。アダム、フィル、ジェニーの3人は久しぶりに顔をあわせます。いよいよイヴリンの挨拶が始まりました。彼女の作品は「人間彫刻」ようは「アダムの変貌」そのものだったのです。
(ナルホド。そういうことか。ふんふん。)
でも、ここからがひどい。
イヴリンは彼(アダム)から求婚された。と指輪を見せます。
でも彼女は、すべて作品のためにアダムに近づき、彼に対して全く愛情はなかった。と、どえらい事を言い出します。公の場で。
そして彼女は続けます。容姿が美しくなるにつれ彼は変わっていった。と。
「まったく強制していない」のに美容整形をし、親友とも絶交した。と。
この「作品」について意見のある人も居るかもしれないが、全く後悔していない。とばっさり。たまりかねて、当人である3人は会場を後にします。
そしてラストシーン。
アダムのかつてのトレードマークだったコーデュロイの茶色いジャケット。昔のアダムの写真、二人のベッドでの映像。などなど、二人だけの時間だと信じていた事が全部「展示」されていました。
イヴリンに詰め寄るアダム。
「全部が嘘だった。」と言う彼女。
「でも、ベッドで囁いたあの言葉だけは真実よ」
それを聞いた彼の顔で唐突に物語りは終わります。
なんじゃああああああ!!!
この夢オチみたいなラスト!!!
びっくりさせようとしたの?
作品のテイストが途中から変わってんじゃん!!
バランス悪いよ。
原題は「The Shape of Things 」直訳で「ものの形」。
人間の本質や、容姿の変貌で変わっていく人の心理は「前衛芸術」と絡めなくても描けますよ~。絡めるならもっとうまくお願いします。これじゃまるで「芸術」そのものまでが「すべってる」みたいです。最後のイヴリンの「作品」への言葉は、まるでこの映画そのもののことのように感じます。でも全く楽しくありません。感動もしません。
約100分、時間の無駄でした。
もし、テレビでこの作品見かけたら、見ない方が賢明です。
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彼氏がステキになったワケ@映画生活
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前田有一の超映画批評