暑くなってくるとお茶の世界では物理的にも精神的にも涼しく感じられる工夫を凝らします。例えば自然の植物の葉を水指の蓋に見立てるというのもひとつです。これを“葉蓋”といいます。また茶碗の中に水をしこんで、涼しげな水音を楽しむ“洗い茶巾”。毎年7月になるとこのお稽古をします。耳に目に涼しい工夫です。最初見た時は面白いなあ、すごい工夫だなあと思ったものでした。
”葉蓋”は、玄々斎の考えたもの。ご自身のお好みである末廣籠の受け筒(籠の花入の中には水を入れる為の筒が入っています)に、梶の葉を蓋にして水指として使用したのが始まりでした。この受け筒は、黒漆塗りの上に短冊状の金箔を散らした華やいだ雰囲気の筒です。短冊を思わせることから七夕道具のひとつとして使用されることもあります。
もちろん、少し細めの陶磁器やガラスの水指でも代用することができます。ガラスで葉蓋を使うと益々涼しげな雰囲気が醸し出されます。
また、葉も梶の葉だけでなく、芋や蓮、桐、蕗、八ツ手など水指の口を覆う位の大きさの葉を自由に使うことができますが、臭いの強い物や毒のある葉は避けます。
先日のお稽古ではアカメガシワの葉を使いました。ちょうどよさそうな大きさの朝摘んだ葉が濡れた布巾に包まれて準備されていました。使う直前に取り出し、霧吹きで露を打ってから使用します。ほどよく露の打たれた葉は瑞々しく見た目にも本当に涼しげでした。
水指の蓋をとる時は、右手で葉を取り、柄を勝手付の方にしながら左手を添えて半分に折り、左から三つに折りたたんで柄を葉に差し込んで広がらないようにし、左手で建水の中に入れます。大きな葉がコンパクトになるものです。捨て水の入った建水に折りたたまれた葉が浮かんでいる様は(お客様からは見えませんが)これまた涼しげな感じが致します。
最後の諸道具の拝見は、通常、水指の蓋が閉まった時点で客が声をかけますが、葉蓋の場合は蓋がないので、亭主が柄杓を構え釜の蓋を閉めた時点で客は声をかけます。亭主は軽く受け、そのまま柄杓を建水にあずけ、蓋置を片付けて諸道具を拝見に出していきます。
”洗い茶巾”は平茶碗に、水を七分目位入れて、茶巾の端と端との対角線を取って、二つに折り、その端を茶碗の右方に少し出し、その上に茶筅、茶碗右端に茶杓を普通にのせます。確かに茶巾が水に浮かんで洗われているかのような雰囲気です。
通常、亭主は右手に棗、左手に茶碗を持って席に入りますが、洗い茶巾では水が入っているので茶碗は両手で点前座に持ち込み、棗は建水と共に(棗を右手のひらに乗せ、左手に建水を持つ)持ち込むところが違います。
茶巾を絞る場面では、水に揺れる茶巾をゆっくりと上に引き上げて涼しさを感じられるようにします。そして、茶碗の水を建水にあける時は唐銅の建水を使って、なるべく高い位置から水を長い時間落とすようにして、清涼感たっぷりの水音をお客様に楽しんで頂きます。
水を捨てたらお湯をいれて茶筅通しを忘れずに。ついそのまま茶巾で茶碗をふいてしまいがちですので。
”葉蓋”と”洗い茶巾”は一緒に点前しない方がよいという話を聞きました。その理由は、初心者はこれらは夏に一緒にお稽古するからといって必ず一緒にするものと勘違いするといけないから、涼しさの演出を2つもするとくどいからということのようです。でもその点をわかっていて臨機応変に行うのは構わないように私は思います。くどいと言われればそうかもしれませんが、お客としては一度に二度も涼しさを楽しめるというのは嬉しいことだと思いますし。
おいしいお茶を一服、夏らしい雰囲気で楽しみながら頂きたいですね。皆さん、葉蓋、洗い茶巾のお稽古していて感じることあれば教えて下さい。
”葉蓋”は、玄々斎の考えたもの。ご自身のお好みである末廣籠の受け筒(籠の花入の中には水を入れる為の筒が入っています)に、梶の葉を蓋にして水指として使用したのが始まりでした。この受け筒は、黒漆塗りの上に短冊状の金箔を散らした華やいだ雰囲気の筒です。短冊を思わせることから七夕道具のひとつとして使用されることもあります。
もちろん、少し細めの陶磁器やガラスの水指でも代用することができます。ガラスで葉蓋を使うと益々涼しげな雰囲気が醸し出されます。
また、葉も梶の葉だけでなく、芋や蓮、桐、蕗、八ツ手など水指の口を覆う位の大きさの葉を自由に使うことができますが、臭いの強い物や毒のある葉は避けます。
先日のお稽古ではアカメガシワの葉を使いました。ちょうどよさそうな大きさの朝摘んだ葉が濡れた布巾に包まれて準備されていました。使う直前に取り出し、霧吹きで露を打ってから使用します。ほどよく露の打たれた葉は瑞々しく見た目にも本当に涼しげでした。
水指の蓋をとる時は、右手で葉を取り、柄を勝手付の方にしながら左手を添えて半分に折り、左から三つに折りたたんで柄を葉に差し込んで広がらないようにし、左手で建水の中に入れます。大きな葉がコンパクトになるものです。捨て水の入った建水に折りたたまれた葉が浮かんでいる様は(お客様からは見えませんが)これまた涼しげな感じが致します。
最後の諸道具の拝見は、通常、水指の蓋が閉まった時点で客が声をかけますが、葉蓋の場合は蓋がないので、亭主が柄杓を構え釜の蓋を閉めた時点で客は声をかけます。亭主は軽く受け、そのまま柄杓を建水にあずけ、蓋置を片付けて諸道具を拝見に出していきます。
”洗い茶巾”は平茶碗に、水を七分目位入れて、茶巾の端と端との対角線を取って、二つに折り、その端を茶碗の右方に少し出し、その上に茶筅、茶碗右端に茶杓を普通にのせます。確かに茶巾が水に浮かんで洗われているかのような雰囲気です。
通常、亭主は右手に棗、左手に茶碗を持って席に入りますが、洗い茶巾では水が入っているので茶碗は両手で点前座に持ち込み、棗は建水と共に(棗を右手のひらに乗せ、左手に建水を持つ)持ち込むところが違います。
茶巾を絞る場面では、水に揺れる茶巾をゆっくりと上に引き上げて涼しさを感じられるようにします。そして、茶碗の水を建水にあける時は唐銅の建水を使って、なるべく高い位置から水を長い時間落とすようにして、清涼感たっぷりの水音をお客様に楽しんで頂きます。
水を捨てたらお湯をいれて茶筅通しを忘れずに。ついそのまま茶巾で茶碗をふいてしまいがちですので。
”葉蓋”と”洗い茶巾”は一緒に点前しない方がよいという話を聞きました。その理由は、初心者はこれらは夏に一緒にお稽古するからといって必ず一緒にするものと勘違いするといけないから、涼しさの演出を2つもするとくどいからということのようです。でもその点をわかっていて臨機応変に行うのは構わないように私は思います。くどいと言われればそうかもしれませんが、お客としては一度に二度も涼しさを楽しめるというのは嬉しいことだと思いますし。
おいしいお茶を一服、夏らしい雰囲気で楽しみながら頂きたいですね。皆さん、葉蓋、洗い茶巾のお稽古していて感じることあれば教えて下さい。
このあたりは梶の木がないとの事で別の葉でしたが(芋かな?)とてもしなやかな葉っぱで、せっかく折り畳んだのに、建水の中で解けてしまいました(涙)
葉蓋に洗い茶巾、どちらも初めて見た時はすごく新鮮でした。
面白い演出ですよね。
私は茶巾を絞る時に手が逆になるようで、なかなか水の音を楽しませる余裕がありません。
どうも雑巾絞りの逆手でやっているようです。
今、台所の布巾で絞り方矯正中です。
この2つのお点前、表千家にはありません。
というか、私が知らないのかも?
この前から、いくつか、初めて聞くお手前があります。
お裏さんは、何だか覚える事が多くて大変そう!@@;
このお点前をすると「夏」って感じがいたします。
今回は刷毛目の平茶碗でいたしました。
次回は葉蓋のお稽古も・・・
今、会社のデスクの横にアオギリの葉があります!
私自身は昨年のこの時期は数ヶ月入院していたので2年ぶりの葉蓋となります。
本当に楽しみです!
洗い茶巾も茶巾を絞ったときの、「あの音」が本当に涼しげですね。
1回目は葉蓋のお稽古で、2回目は洗い茶巾と致します。
それにしても思うのですが、激動の明治期に活躍された玄々斎は本当に独創的で、この功績は素晴らしいものと思います。
裏千家の名誉家元と思います。
もし、玄々斎のご活躍がなければ、現代の裏千家は…。
和巾のお点前をしていてふと思いました。
要するにお客様に涼を感じてもらう工夫ですね。
月曜夜教育テレビの番組 裏千家茶の湯『涼を見つける』を楽しませて貰っています
私も教育テレビの番組を見ています。
前回は千宗室家元が涼しさを感じる工夫を話されていましたね。ほんとに涼を感じる様々な工夫がありますね。
これがいいって思って使おうと思ったら、
意外とちいさかったり、逆に大きすぎてしまったりと。。
私が見つけるのがへたくそなだけなのでしょうけど。。
自分で育てるのが一番いいのでしょうかねぇ?
昨日葉蓋と洗い茶巾のお稽古でした。
葉を持参したのですが、大好評でした!
見ているだけでも涼しさが伝わってきました。
TBさせて頂きましたが、連打してしまい2つも載せてしまいました。
申し訳ございません。