まかろんのお茶会

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新作 : 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その8

2014-03-24 21:27:46 | 「乱櫻鬼譚~」 2014桜
2018年の今から考えると、
まだいろいろできてなかったなーって思います。

でもそれこだわってたら、この作品、
いまだに完成できてなかっただろうなとも思います。

下手くそな作品さらして、それで多分、
人に馬鹿にされたりもしたけど。


でもやっぱりナヲキさんや白蛇さんに出逢えて良かったです。



2014年3月21日~ブログ直接投稿 「乱櫻鬼譚 ~ カミ咲けるヒト」その8

  幸い 桜の木の所までは
  誰にも 会わなかった
  行く道の木々に 花はなく
  ただ 通りかかるとそれぞれに
  葉のない枝々が ざわめいた

<つづき>

桜の木は 大きかった
枝からこぼれんばかりの 花の雲
目に焼き付けようと 目を見開いたが
美しいはずの姿は 妙に重たく感じられた
桜は散る様子もなく 梢を空に伸ばしてた

何か暑いな とナヲキさんは汗をぬぐった
たき火の傍のような 熱さを感じていた
鼻の奥に 渇いた空気と
焦げたような匂いを感じた でも
辺りに燃えてる物は 何もなかった

これはいけませんね と蛇が
ナヲキさんの首元で 渋い顔をした
思った以上に 大きくなってます
南蛮の祭礼が 満月と重なったのが
いけなかったんでしょうね

南蛮の祭礼って? とナヲキさんは尋ねた
先だってのアレですよ と蛇は言った
女人たちが 南蛮菓子を贈りあう・・・
バレンタインのこと? と
ケーキ屋さんのナヲキさんは 聞いた

ああそんな名前でした と蛇は答えた
ナヲキさんはふいに 後ろめたい気がした
バレンタインはケーキ屋には 大事な行事
ただがむしゃらに 働いてたけど
白蛇と狂い桜の前では 何か悪い気がした

やっぱり南蛮の・・・
とナヲキさんは 言い淀んだ
日本のじゃないのって ダメなのかな
そんなことありませんよ と蛇は
不思議そうに ナヲキさんを見た

<つづく>

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