入学すると、怖い先輩達が新入生の必修科目の教室の前で、手ぐすねを引いて待っています。
身長の高い学生や、ちょっとおしゃれな学生が狙われます。
私の学校では、全学応援団と、少林寺拳法部が狙っていました。
特に、全学応援団はひどいものでした。
彼らを避けるには、学校に来ないか、運動部に入部することが一番の近道でした。
文化部に入部した人間もお構いなしに、連行されてゆきます。
連行されないのは、浪人した人間ぐらいです、
なぜなら、勧誘に現れるのは2回生だからです。
上下関係のうるさい全学応援団は、年上にも礼儀を重んじていたようです。
まあ、応援団から逃げたいし、自動車好きな私は「自動車部」に入部しました。
5月の連休に、新入生歓迎ドライブ兼、合宿がありました。
私は、先輩のシャコタンサニーに同乗させてもらい、河口湖の汚い学生専用旅館兼、合宿所に。
夜中まで大宴会、ビールのラッパ飲みをさせられ、その夜数回吐きまくりました。
何回目の嘔吐だったでしょうか?
汲み取り式の便器に顔をうずめ、吐きまくっていたのですが、
便槽の中から、赤ん坊の泣き声が聞こえてくるのです。
寒気がして、一発で酔いがさめてゆくのがわかりました。
いくら先輩に話しても、本気にしてくれません。
この旅館に今夜宿泊しているのは、私たちのグループだけなんですから、子供なんて居るはずありません。
河口湖には良い思い出がありません。