アパートについてお話します。
築年数は不明ですが、当時でもかなりの年代物でした。
実は、一昨年息子が大岡山に住んでいましたので、そのアパートに行ってみたのですが、なんと、、、
まだ、あるんですよ。
まだ、住んでいるつわものがいるようで。
4畳半の畳の部屋と、床の間位の三角の板の間がありました。
三角の板の間は、建物が路地に面して曲がって立っているので畳が敷けない所。
トイレは汲み取りの共式。
台所も、共同の炊事場。
コンロは、部屋数分無いので誰も使っていないときは使い放題、ただしガス代は基本料金徴収されます。
部屋はすべて2階のみ。
1階奥は大家さんの家、街道沿いは貸店舗。
私が住んでいた時は、居酒屋兼、食堂。中学生の息子さんとお母さんがやっていました。
現在は、ちょっとおしゃれな、南国風のカフェ。サーフボードが似合いそうな。
隣の部屋は、沼津から来た専門学校生の望月とかいう騒がしい男が住んでいました。
一度も話したことがないのですが、何時も大家さんがあまりの迷惑さに苦情を言いに来るので名字覚えました。
「望月さん、ステレオの音小さくしてください」
「望月さん、今何時だと思っているんですか?」
週に1度は、大家さんが扉の前で怒鳴っていました。
ある真夏の夜、共同炊事場に行くと虫が飛んでいました。
ゴキブリです。
虫嫌いの私は、あわてて、部屋まで走って帰りました。
部屋に逃げ帰って、一息ついたのですが、何か髪の毛がむずむずします。
手で髪の毛を、払うとなんと、先ほどのゴキブリが髪の毛から落ちてきました。
パニックです。
新聞紙を丸めて、ゴキブリとの死闘が繰り広げられたのは言うまでもありません。
私の勝利だったですが、このアパートでは宿敵、ゴキブリと望月に頭を悩ます2年間でした。