渡り鳥は田舎にもやってきていた。早朝に撮った写真だが全部で11羽の集団だった。
私が小学低学年だった頃、此の辺は「やら」と呼ばれる底なし沼のような湿地帯で、葦が生い茂っていた。葦は屋根材として利用されたり、日除け用の「よしず」が作られていた。
初夏の「やら」にはオオヨシキリが営巣していて、容易に巣を見つけることが出来た。危険が隣り合わせの「やら」だったが子供たちにとってはまさにアドベンチャー的な場所だった。
葦林の奥は沼になっていて、渡り鳥も数多く飛来していた。
その葦原は干拓されて田となり、悪水路だけが残った。その悪水路に「雁」が飛来している。もしかすると「やら」の昔から継がれてきている彼らの休息地なのかもしれない。
上野公園の不忍池に飛来してくる「雁」は、観光客や住民にパンの耳などの餌をもらって丸々と太って帰るが、田舎の地に降り立った雁は、「二番穂(稲刈りを終えた後に出穂し実が実る)」と呼ばれる豊富な餌にありつくのである。
下の写真は「悪水路」と呼ばれる川であるが、地元では「中堀」と呼ばれている。この川の両側が田になっていて、その田に引かれた水が最終的にはこの川に流れ込む。流れ込んだ悪水は排水機場で再び本流に戻されるのである。
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