(続く)
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5『岡山の今昔』岡山の地質と水
岡山の地層としては、何があるのだろうか。結論からいうと、実に様々なのだが、その中でも、やはり石灰岩が挙げられる。これは、生物の化石が海底にたまったものが石灰化し、地層化していった。それが地層変動により地表近くに出てきて、今日私たちの目に触れるものとなっている。
岡山では、「三群帯」と呼ばれる、新潟県から佐賀県に至る長い帯状に石灰岩を含む地質構造が見られて、日本でも最も純度の高い石灰質を含むことで知られる。この帯に属する石灰岩の大規模な鉱床としては、山口県の秋吉台と並んで新見市の草間台地があり、これらは美しい「カルスト台地」「カルスト地形」を形成していることでも有名だ。
ここにカルスト台地とは、石灰岩からなる台地をいう。主成分の炭酸カルシウムが雨水や地下水に溶解されやすくなっているため、鍾乳洞などのカルスト地形を形成する。
付随して地下水は、カルシウム溶出のため、硬度が高くなる。なお、水中のカルシウムとマグネシウムの合計量を示す尺度にして、工業上は1リットル当たり100ミリグラム以下が軟水、同200ミリグラム以上が硬水、中間領域は通常硬水と呼ばれる。参考のため、一概に言えないものの、日本では軟水が主流であり、飲用ができるのが普通のようである。
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これとは別に、岡山は、山間部を中心に水にまつわる情報ご数多く寄せられる土地柄でもある。その一つ、県内随一クラスの名水ところ「塩釜の冷泉」(真庭市八束(やつか))を紹介しよう。
「中国山地の蒜山(ひるぜん)三座の一つ、標高1112メートルの中蒜山(なかひるぜん)中腹に湧く水が、20坪ほどの青く透んだ池を形成しています。湧出量(ゆうしゅつりょう)は日に2万6000トン、常温11度で、清水にしか育たないヒルゼンノリと呼ばれる藻(も)の生息地としても知られます。池は、山頂に向けて楕円(だえん)が2つ連なるひょうたん形で、湧出口から流れ出る小川が、水汲み場になっています。(中略)地元では、水道、灌漑(かんがい)のほか、マスの養殖にも使用しています。」(カルチャーブックス編集部編「日本列島百名水」講談社、1997)
(続く)
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