231『岡山の今昔』備前市
備前市は、南東部の瀬戸内海に沿ってある、歴史ある町だ。そもそもの市制は、1955年(昭和30年)、当時の備前町、伊里町、香登町、鶴山村(和気郡)、それに鶴山村(邑久郡)が合併して備前町、ついでの1971年(昭和46年)4月にその備前町と三石町とが合わさって備前市となっていた。
さらに、2005年3月22日の備前市、吉永町との合併により、旧日生町は新たに備前市となっている。
その位置だが、北から時計回りに美作市、和気町(和気郡)、東部は兵庫県に隣接する。南には瀬戸内市、そして西部は赤磐市に接する。
備前市は、南東部の瀬戸内海に沿ってある、歴史ある町だ。そもそもの市制は、1955年(昭和30年)、当時の備前町、伊里町、香登町、鶴山村(和気郡)、それに鶴山村(邑久郡)が合併して備前町、ついでの1971年(昭和46年)4月にその備前町と三石町とが合わさって備前市となっていた。
さらに、2005年3月22日の備前市、吉永町との合併により、旧日生町は新たに備前市となっている。
その位置だが、北から時計回りに美作市、和気町(和気郡)、東部は兵庫県に隣接する。南には瀬戸内市、そして西部は赤磐市に接する。
新幹線にのって東から岡山県内にやってくると、そこは日生(ひなせ)地区だ。旧日生町での町役場は備前市役所日生総合支所となっている。それからは、ほどなく停車駅の岡山に到着しよう。
市の中心部は片上地区で、ここに市役所など中枢部がある。エリア別で有名なのは、やはり伊部地区であろう、ここには備前焼の工房・陶芸店が集中している。
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この地域における産業としては、おおまかに備前焼と耐火煉瓦と農漁業の町だといえるだろう。これらのうち、焼物については、そもそもが、これまでに数多くの須恵器の窯跡が知られており、なかでも、備前市・邑久郡長船町・牛窓町など吉井川左岸一帯の丘陵地に集中。このあたりは、「邑久古窯群」と呼ばれ、今までにおよそ90基の窯跡が確認されている。
(続く)
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市の中心部は片上地区で、ここに市役所など中枢部がある。エリア別で有名なのは、やはり伊部地区であろう、ここには備前焼の工房・陶芸店が集中している。
また旧日生町(ひなせちょう)は、兵庫県と境を接していた町であり、2005年3月22日の備前市、吉永町との合併により新たに備前市に入る。
その土地柄について、合併前での「日生」の歴史から起こして、こう述べる向きもある。
「岡山県の南東端、和気郡日生町は、瀬戸内海に臨む打瀬網(底引き網の一種)で知られる漁業の町である。江戸後期には四国沿岸へ、明治期には朝鮮海峡へ、さらに遠く台湾、シンガポールの近海にまで進出した。
窯業も盛んで、西隣する備前市とともに東備窯業地帯を形成し、活況を呈している。森下美術館がある。
さて、ヒナセは、日向瀬の意とされ、日ご早く当たる瀬戸を、あらわしたものとか。ここには、日陽奥と書いて、ヒナタノクと読ませる集落もある、」(本間信治「にっぽん地名紀行」新人物往来社、1992)
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この地域における産業としては、おおまかに備前焼と耐火煉瓦と農漁業の町だといえるだろう。これらのうち、焼物については、そもそもが、これまでに数多くの須恵器の窯跡が知られており、なかでも、備前市・邑久郡長船町・牛窓町など吉井川左岸一帯の丘陵地に集中。このあたりは、「邑久古窯群」と呼ばれ、今までにおよそ90基の窯跡が確認されている。
このことを裏付ける史料としては、10世紀のはじめころに編纂された「延喜式」中の「主計」と言う部分に、全国各地から都へ運ばれた貢納品の種類や数量が詳しく記されている。これによると、備前国から都へ納められることになっていた須恵器の量は、河内国(かわちのくに)のそれを凌ぐ全国一位という。
ところが、平安時代末期に興った備前焼の産地は、そことは山一つ隔てた備前市伊部に発達していく。もう少しいうと、伊部集落周辺の山麓から、南北の谷筋沿いに標高400メートルを越えるような高地まで、5キロメートル四方にわたる。このように須恵器が備前焼へと発展しながらひと山越えた、そのメリットが何であったかは、一説には、次のように言われる。
それから、最近の当市を眺めると、県南東部ということではあるものの、人口の減少や高齢化はかなり進んでいるという。そうなれば、医療や福祉の面でも、個々の自治体を跨がる形での調整の必要も出てくることを、例えば、次の記事が伝えている。
「岡山、玉野、備前市など5市2町の将来的な医療体制について医療関係者が協議する「岡山県南東部地域医療構想調整会議」が8日、岡山市北区南方のきらめきプラザで開かれ、国が9月に再編・統合の検討が必要として公表した医療機関について意見を交わした。(中略)
出席者からは、判断の基になったデータが古く実情を踏まえていないことを指摘する声が相次ぎ「住民の不安をあおっている」「再編・統合は地域の実情に照らし合わせて考えるべきだ」といった意見も出た」(2019年11月8日付け山陽新聞電子版)とのこと。
ここに参加したのは、福渡病院(岡山市)、玉野市民病院、備前病院、吉永病院(備前市)、瀬戸内市民病院、吉備高原医療リハビリテーションセンター(吉備中央町)、赤磐医師会病院(赤磐市)の8病院であり、互いによる意見交換がなされたようだ。
(続く)
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