133『岡山の今昔』戦後の高度成長期へ
まずは、その前段の話(大まかな経緯)から始めよう。顧みると、敗戦直後の混乱状態から、なんとか早期に立ち直ったということでは、岡山県の人々、産業が持つ底力といおうか、大いなる努力が働いたに違いない。
そんな中でも工業の再建はかなりのハイペースで行われたようで、下野岡山大学教授の論考には、こんな特色があるという。
いわく、「(前略)1947年(昭和22年)の岡山県の工業生産を「岡山県統計年報」および「統計から見た過去20年の岡山県」に基づいて見ておくと、主要な業種としては木製品工業、食料品製造業、化学工業の順位で、生産額および製造品出荷額等では機械器具工業、紡織業、化学工業、食料品製造業、製材および木製品工業の順位となっている。
また、重化学工業の占める比率を見ておくと、従業者数では34.7%、生産額では42.9%、製造品出荷額等では46.3%となっていて、1950年代はおろか1960年(昭和35)の状態より高いことがわかる」(下野克己「高度成長期の地域産業構造の変化ー岡山市と倉敷市の場合」)とされる。
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(続く)
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また、重化学工業の占める比率を見ておくと、従業者数では34.7%、生産額では42.9%、製造品出荷額等では46.3%となっていて、1950年代はおろか1960年(昭和35)の状態より高いことがわかる」(下野克己「高度成長期の地域産業構造の変化ー岡山市と倉敷市の場合」)とされる。
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一方、岡山市に比べ、紡職業の製造品出荷額等においてかなり大きいのが、倉敷紡績を擁する倉敷市であって、前者が39億2033万円なのに対し、後者のそれは70億5948億円となっている。同従業者数も、それぞれ3392人と7544人と差は大きい。ちなみに、倉敷市内の同事業所数は1092であるという。
他にも、「第2位を占めている業種としては食料品製造業、印刷出版及び類似産業、第一次金属製造業、輸送用機械器具製造業の4業種があり、このうち玉野市が第1位を占めていると思われる輸送用機械器具製造業を除く3業種は岡山市に、つくものであった。」(下野、前掲論文)
(続く)
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