隠岐に流されたの後鳥羽上皇が、このはなを見て、都から遠く流された不運の自分を慰めたという話は聞いたことがあります。
私にとっては、これはおばあちゃんのお花。
小さい頃おばあちゃんは隣に住んでいた。
玄関にはバラがさき、庭には、たくさんの花が咲き・・・
そして、おばあちゃんのうちには、自分のうちにはない、珍しいものやら、おいしいものやらがいっぱいあった。
おこられて入れられた物置から救出してくれたのも、おばあちゃん
トランプで遊んでくれたのも おばあちゃん
都忘れがおばあちゃんの庭に咲いていたのは、確かだけれど、庭のどのへんに咲いていたとか、おばあちゃんがこの花が好きだったという記憶があるわけでもない。
でも、この花をみるとおばあちゃんを思い出す。
ピッコという犬がいたおばあちゃんのうち
冷蔵庫の中にアイスがはいっていた
カーテンが緑だった
紅いティーカップに 苦いせんじ薬を入れて飲まされた
吸入器があった
髪染めの匂いが残るおばあちゃんの髪
紫の小さな花に、いろんなおばあちゃんの姿が うかぶ