木曜日に 兼題~卒業~の発表がありました。勉強会の成果が 出てきているなあと思うところが見つけられた今回の発表でした。
卒業の経験は誰にしもあるもの、それだけに類想の句が多いと思われ、みなさん、苦労なさったようでした
それでは人選のみなさんから・・・
三世代同じ校歌で卒業す ⑦パパさん
親子二代ではなく もう一代加えての三代!おじいちゃん、お父さん、そして僕・・・長いこと同じ土地で生活してきたこと、つつがなく長い年月を暮らしてきたこと、しみじみと胸に来るものがあると思います・・・・同じ校歌を歌えるというのは幸せなことですよね
口唇のヘルペス赤き卒業式 ツユマメさん
「なぜ?なぜ今日なのか?!!」唇が赤くはれて熱でじんじんする。せっかくの晴れの日になぜかでてしまったヘルペス。運命のいたずらのような出来事に心はみだれたものの、立派に卒業することができたのでしょう。喜びの日に なんとなく水を差されたというところが 他に例を見ない面白い句だと思いました。
卒業や最後の定期かざす音 末っ子くん
今日でこの駅で定期をかざすのは最後、その最後の瞬間の音に思いを寄せるってすごいですよね
音は一瞬で消え去るもの・・・写真のようにあとで何度も見直せるものではない、でもその一瞬は心に刻まれるのですね、一瞬の音が一生の記憶になるってなんだかすごい!
卒業す校則はもうただの紙 まこさん
髪のゴム、スカートの丈、鞄の厚さ、リップクリームの色、髪の長さそして色・・・そんなんどうだっていいじゃないと思いつつ、叱られたり目をつけられるのが嫌で 守ってきた校則・・・生徒手帳にびっしり書いてあったそのたもろもろの校則という鎖が 今日でただの紙となる
校則をふりはらい 一歩先に歩みだす爽快感が感じられました。
卒業式の君の喇叭の晴れやかに みほめろさん
卒業生を送る演奏の中で 君の吹く喇叭の音が晴れやかに響いてくる。その音は 卒業生一人一人の胸にも届いただろうし、私の心の中にも飛び切りの輝きをもって響いている。
高らかな音が 今体育館の天井から降ってくるような感じがしました。大好きな音楽を題材に自分の世界を描こうと頑張ってこられたみほめろさん、おめでとうございます!
卒業式立ち漕ぐ坂も楽しけれ 千鳥城さんへ
勉強会で「天」にいただいた句です。学校までの急な坂道を毎日立ちこぎで通った・・でも今日でそれも最後。毎日汗かいて しんどかったけど 楽しかったなあ。毎日の学校生活を全力で頑張ってきた。悔いはないぞ、と笑顔で式に臨む、若さと満足感いっぱいの句で、大好きです。
ドリカムの歌で 立ちこぎしておでこ全開!って歌があったよね・・・その歌を思い出しました
卒業すあだ名双子の地味な方 かたちゃん
卒業するのはさみしいけれど いいこともある。ずっと気になっていたあだ名ともお別れできるから・・・卒業というのは 終わりじゃなくて新しい自分へのスタートでもあるっていうちょっと素敵なとらえがいいなと思います。
そして、私も今回は人選いただけました💛
指揮の手に卒業の声握り締む
今回の句はいろいろ自分で考えながら 練り上げながら作った句でした。卒業歌の指揮に立ち、歌う卒業生の視線と声を一身に受ける。「今日でさいごだね」「今まで楽しかったね」「ありがとう、さようなら」・・・みんなの思いがこもった歌が 体育館に満ちている。さあ、歌の最後、卒業の声を 指揮者はその指揮の手で受け止め、握り締めた手で 歌の終わりを告げる。
最初は「握りしむ」だったのを ツユマメさんとパパさんのアドバイスで 「締む」と漢字にかえました。より指揮者の強い思いが伝わると思いました。勉強会ではみほめろさんにこの句に込めた思いをしっかりと読み取っていただきました。自分で納得して投句した作品での人選。今までで一番うれしい結果でした