8日、仕事の下見で大菩薩山系/雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま・1874m)と姥子山(うばこやま・1503m)を訪れました。山梨県大月市。
いずれも大菩薩連嶺から東に延びる支脈上に位置し、雁ヶ腹摺山が最高峰。山頂西側に大きくたわんだ地形・大峠(おおとうげ)があり、そこが「雁が越える鞍部だった」(「新日本山岳誌/日本山岳会編著」)ことから、そのユニークな山名になったそう。姥子山とともに、大月市選定「秀麗富嶽十二景・1番山頂」に選ばれており、実はこの山頂からの富士山が、昔懐かしい五百円札(1951年発行)の絵柄に使われたのだそうです。
夏季、中部山岳通いが続いていた身にとって、久しぶりに「戻って来た」感のある大菩薩山系。今回は「感謝の人」Nさん、そして以前ガイド山行に参加してくれたKさんとともに、しっとりとした森林(もり)の中を歩きました。
・天候/曇り
・行程/(中央道・あきる野IC~車~大月IC~)大峠9:30/9:50-雁ヶ腹摺山11:00/11:15-林道・奈良子線12:00/12:03-姥子山12:17/12:27-(往復)-雁ヶ腹摺山13:38/14:32-大峠15:12(/15:30~車~国道20号~甲武トンネル~檜原村~あきる野)
登山口の大峠(1560m=国土地理院地形図より、以下同)。
連休の最終日で「体育の日」だからでしょうか?…結構車が多い。この場所にはトイレ(左端)もあり、ペーパー完備に感謝。
直前までパラついていた雨が上がり、出発。気温8℃。
さっそく…
ツキノワグマの齧り跡に遭遇。
指導標に塗られているペンキか防腐剤がお目当てでしょうか…新しいものほど被害に遭う傾向があります。とは言え、クマの棲む森林は豊かな証。
ミズナラ、カエデなどの広葉樹林は、うっすら紅葉し始め。
こちらは、ニホンジカに樹皮を剥がされたナナカマド(七竈/バラ科)。まだ枯れてはいませんが、葉が少なく瀕死の状態に見えました。
関東太平洋側は増えすぎたシカによる被害が深刻。クマのそれのように喜んではおられません。(苦笑)
雁ヶ腹摺山山頂。14℃。
一瞬晴れ間が覗き、南(写真奥)に由緒ある富士山を望むことができました。が、すぐに雲の中。条件に恵まれれば…
こんな風に見えるらしい。
可憐なミヤマヒゴタイ(深山平江帯/キク科)?に見送られて、姥子山を目指しましたが…
ここから先はコメツガ、ウラジロモミなど針葉樹が混じる深山の雰囲気。道も、あまり歩かれていないようで荒れ気味。
白樺平(しらかばだいら・1570m)を経て…
姥子山へ。眺望はなし。15℃。
再び往路を戻りました。が、標高差約400mを急降下して来た分、当然ここからが本日一番の登りに。
雁ヶ腹摺山まで一気!
姥子山へのルート、地図上で見ると距離が短くお手軽に見えますが、滑りやすい急坂が連続するため、初心者だけの入山は避けた方が無難です。往復するなら、経験者と一緒に、体力にゆとりをもって臨みましょう。
私たちは、戻って来た雁ヶ腹摺山で小一時間、ラーメンとコーヒータイム。久しぶりに、プライベート山行の楽しさを味わいました(笑)。大峠へ下山。
中央道上り線は予想通り30kmの大渋滞…一般道をひたすら走り、上野原から甲武トンネルを抜け、檜原村経由で帰りました。
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指導標とナナカマド、ツキノワグマやニホンジカに見事にやられてますね。それと、ナナカマドの樹皮が剥がれた所を見て、「ニホンジカがした」って分かるのが凄いです!
ツキノワグマやニホンジカは、山に入らないと絶対お目にかかれない動物ですよね。特にツキノワグマ。最近は人間を見ればクマの方から逃げるとは言われていますが、実際人が襲われたというニュースを聞くので、とても怖いです。
そう考えるとガイドさんって常に危険と隣り合わせですよね。
前もってコースの下見に行かれたり、本当に大変なお仕事だとつくづく感じます。くれぐれも気をつけて下さいね(●^_^●)
ありがとうございます。ブログ、これから少しづつ作り直していきます。何かアドバイスがあったらお願いしますね。(笑)
山を歩くと、普段は出会えない野生動物たちの痕跡だらけでとても楽しいですよ。いま、増えすぎたシカの食害が深刻になっています。このままだと日本の森林がダメになってしまうのでは…そんな危機感すら感じます。クマが人間を襲うのも、次第に居場所を奪われている彼らの悲鳴かもしれません。人間活動によって崩れた生態系のバランスを取り戻して、豊かな自然環境を未来に残したい…快適・便利「過ぎる」私たちの生活そのものを見直す時期に来ているのかもしれませんね。