海岸沿いを自転車でサヌール ビレッジフェスティバルに出かけた。ちょっと道を間違えてようやく辿り着いたフェスティバル会場は日本の夏祭りとそっくりで大勢の人々が集まって賑わっていた。観光客も多いが地元の人たちもかなり集まっている。会場のホテルが出しているスペアリブとマッシモが出しているピザそれに缶ビールで腹ごしらえをしてから舞台の前の芝生に座りダンスと音楽を楽しむ。
初めは「おうちに帰る」と繰り返していたベビもそのうちに面白くなってきたらしく、最後まで舞台の催しに見入っていた。
レゴンダンス風の踊りが始まる。音楽は大勢のガムラン奏者が控えており、かなり大規模だ。特に笛の数が多い。このダンサーは途中から面をつけた。面をつけたダンサーが横に向くと日本の能の演者を横からみるときのような不思議な空間が生まれる。この世ならぬものが踊る風情が眼前に現れる。
続いて現れた日本人男性ダンサー二人も、これは初めからマスクをつけて登場し最後までマスクを外さなかった。双子のように体格の似た二人が同じマスク、中性いやむしろ女性に近いマスクをつけてガムランの演奏で踊る。男性の肉体を前面に出して踊るこれは20世紀バレー団のモーリスベジャール風だ。それにしてもマスクの効果の絶大なことに驚く。この小道具一つで非現実を簡単に作りだす。
芝生に座り込んで舞台の様々な出し物をたのしむ。20年ほど前のシカゴの公園でのオスカーピーターソン野外演奏を思い出した。これも芝生で楽しんだ。日本ではなかなかこういう場面には遭遇しない。