まさおレポート

逆説の日本史 近世爛熟編 大高源吾はおそらく私の家の前を通って赤穂から萱野邸に向かった

井沢元彦の逆説の日本史 近世爛熟編を読了した。既に14巻を読んできたことになる。今回の逆説は忠臣蔵と徳川綱吉だが忠臣蔵の逆説が特に興味深く読めた。

私の故郷の大阪府箕面市の旧西国街道に面した町は古老によると赤穂藩の飛び地であったそうだ。そのためか近くに萱野三平の家が今でも残っている。その末裔と私は中学の同級生でそのよしみで家の中を見学させてもらったことがある。萱野三平は48人目の義士とよばれ討ち入り前に分け合って自害した。

討ち入りの義士の一人である大高源吾はおそらく私の家の前を通って赤穂から萱野邸に向かっただろう。ひょっとして馬を休めるために厩につなぎ団子と茶などを飲んだかもしれない。私の生まれた家そのものはは先祖ではない人が営む厩をもった茶店だと聞いたことがある。

そんな思いを浮かべながら本書を読み終えた。浅野内匠頭は本来一方的な加害者で殺人未遂なのにその部下が被害者の吉良を追い討ちをかけて殺害する。それが何故美談になったのかという逆説と背景の政治的理由の追求だ。忠臣蔵で上げられる仇討ちの根拠はすべて怪しいと解きあかし、将軍家を維持するために都合のよい君父の忠を称揚せんがための政治的意図で美談となり、皮肉なことにその君父の忠がやがて幕末の尊王思想によって自らを滅ぼすことになるとの筋立てだ。

いつもながら面白い。しかしそろそろ逆説ばかりでなく正説と比較しながら読み比べるべき時期だ。

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