あるいは私だけが知らないのかもしれないが。還暦を過ぎる年になって、詳しく意味をしらなくても大方の言葉はどこかでちらっとでも聞いたことがある。しかし全く聞いたこともなく、意味も知らなかった言葉(もちろん日本語のなかで)に出くわすことがある。今日はそんな経験をしました。皆さんは「減耗控除」という言葉を知っておられるだろうか。
減耗控除 読み方: げんもうこうじょ
【英】: depletion
石油、石炭、金属などの天然資源は生産によって減少し、また消滅あるいは枯渇する。これを減耗(depletion)という。
この減耗を補充するため、売り上げまたは利益の一定割合を、主として探鉱による新しい埋蔵量の発見のための費用に充てるために控除することを減耗控除という。
税法上これを認める国と認めない国がある。税法上、減耗控除が認められている場合、大別すると米国型とフランス型の二つがある。米国型は控除分の使途を探鉱に限定しておらず、また使用期間にも制限がない。これに対してフランス型は、使途を探鉱費用などに限定するとともに、使用期間も一定の限度を設けている。
http://www.weblio.jp/content/%E6%B8%9B%E8%80%97%E6%8E%A7%E9%99%A4 から引用しました。
この減耗控除とは減価償却と同様に税法上の言葉らしい。減価償却によく似ており、上記の参照のように観念上の費用をいう。この言葉を今日、ホテル内で90才を越える高齢の方との歓談中になにげなく聞いた。最初は意味が取れなかったが、減はへる、耗は消耗の耗と説明を受けて、さらに英語で言うとdepletion allowanceだと説明を受けて減価償却の昭和初期に使われた古い用語なのかと思った。がネットで調べてみるとそうではなく、上記の参照のように石油や鉱業で使われる立派な経理用語なのだった。
この方は日本の大手鉱業会社に長く勤められ、昭和の中ごろに会社から減耗控除の考え方を導入するためにフランスに派遣されたときの思い出話をされた。その話の中で飛び出した言葉だった。
90歳を優に超えた高齢者というと、こちらも身近に話をした経験がないので、もうしゃべることも記憶を呼び覚ますこともおぼつかないのかなと勝手に思い込んでいたが、どうして、どうして。イブモンタンの「枯葉」を原語で歌うおしゃれさと、その長い人生で経験した博識ぶりと明晰な記憶力に驚いた一日でした。
私のパソコンには金子由香里の枯葉が入っていたので、音量を大きめにして聴かせてあげると、「バリで枯葉を聴くとはね。この詩がいいんだよね」と遠い目をして一言。気のせいかうっすらと涙のようなものが。きっとベルエポックのパリ、ふるきよきパリ時代を追想していたのかもしれません。たしかに私もこの詩にまいっていたので、おおいに「枯葉」で盛り上がりました。
私のパソコンには金子由香里の枯葉が入っていたので、音量を大きめにして聴かせてあげると、「バリで枯葉を聴くとはね。この詩がいいんだよね」と遠い目をして一言。気のせいかうっすらと涙のようなものが。きっとベルエポックのパリ、ふるきよきパリ時代を追想していたのかもしれません。たしかに私もこの詩にまいっていたので、おおいに「枯葉」で盛り上がりました。