年末に鰐を彫りあげたウブドの木彫り職人は新年早々1月5日に新しい作品に取り組みはじめた。群走する野生馬がモチーフだ。一本の太い枝から個々の動きをとらえた野生馬が生まれる萌芽に立ち会う。簡単にチョークで輪郭ともいえぬものを書きこんで大小ののみをふるいイメージだけを頼りに木の塊から動きのある馬を彫り起こしていく。この写真は名人が仕事にかかった初日のもので、形になりかけの様子が生命の誕生を想起させる。
今日、1月11日つまり6日目にして躍動感のある馬がかなり姿を現している。私はこのウブド職人にひそかにミケランジェロとニックネームをつけた。