まさおレポート

バリは木を伐る季節

このところ木を伐る光景に出くわす機会が多い。滞在中のビラでの大掛かりな枝払いが乾季の最初のころにあった。30メートルは有りそうな巨木の枝をはらう。あるいは寿命が来たという大木を根こそぎ抜く。いずれも伐採職人が素足に斧で、あるいはエンジン鋸で伐る。落ちたらまづ助からない高さまで素手で登るが命綱などつけない。職人の沽券にかかわるとでも思っているようだ。ある程度伐ると後はロープで下から大勢で引っ張って落とす。枝と言っても大木のそれは50センチ近い。地響きを立てて落ちる。

この大木の名前を聞くとスワルと発音したように聞こえた。誰かが菩提樹だと言ったが確かなことはわからない。バリでも有数の堅くて良質の木材になるという。切りくずを手で触ると日本の樫の木などとは比較にならない、軽い感じがする。切り口を眺めるとはっきりとした年輪はないが、ぼんやりと濃淡がある。乾季雨季の季節変化でできたものだろう。堅さは年輪によって生まれると思えるので、南国の年輪の無い木の質としてあまり固くならないのだろう。(年輪が無くても固い木があるかもしれないが、今のところ知らない)

その伐った枝からウブドのミケランジェロと私が勝手に名付けた木彫り職人が鰐や群走する馬、マーメイドなどに掘り出していく。鰐や馬はさすがだ、頭に入っている姿をそのままモデルも見ずに掘り出していく。マーメイドはバリにはない伝説で、ミケランジェロ氏もモデルになる一枚の写真に頼るしかない。これがようやく出来上がったが、既に完成した鰐や馬とは出来が違う。写真を見て作ったので気持ちが籠っていない。首などもすこし歪んでいるし、全体のバランスが悪い。作りなれたものがやはり完成度が高い。このミケランジェロ氏の腕を買っていたので残念だが注文する側もそのあたりの配慮が必要だなと思う。

昨日も今朝も海岸沿いの舗道でヤシの木を伐採していた。高くなりすぎて危険になったからなのだろう。通行制限をして切り倒していた。昨日は海岸のバリではよく見かける、葉がゴムの木のような形をした木の枝を伐っていた。年中切っている光景はみるが、気のせいか今の季節は多いような気がする。

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