(写真の時計は記事の時計とは関係がありません)
ボローニャ駅の乗客待合室でナポリ行きの列車を待っていた。ふと時計をみると10時25分を指している。
腕時計と見比べて首でもかしげたのだろう、向かいの女性が日本人かと話しかけてきた。
この時計は壊れているのではなく、ここで1980年8月2日に時限爆弾が爆発した時刻をそのまま保存しているのだと教えてくれる。女性は元数学教師でこれから故郷のナポリに帰るのだという。
「この時計は保存のために止めてあるのだけど、時計って持ち主が亡くなると時計が止まるのよ」
と元数学教師は語り始めた。キオスクで搾ったオレンジジュースを飲みながら耳を傾ける。
「夫は昨年9月のある日、に亡くなったの。形見の時計を整理して何気なく同じ整理箱に入れてあった死亡診断書をみたら午前11時1分と書いてあった。形見の時計はその時刻ぴったりで止まっていたの」
「ディジタル時計ですか」と間の抜けたことを尋ねる。
「カシオの時計だからディジタルよ」
その後何回か持ち主が亡くなるとディジタル時計が止まるという話を見聞きした。ディジタル時計がポイントのようだ。いまでもこの話は本当だと信じている。
写真はボローニャ駅前の通り。
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